新需給管理「J|スリム」導入 トヨタ、納車時期「見える化」
トヨタ自動車は13日、国内の販売店で受注した新車の生産状況や納期時期を「見える化」する、新たな需給管理システム「J―SLIM(J―スリム)」を、一部車種で導入したことを明らかにした。年内には全車種に対象を広げる。新車の受注から生産、納車までを一元管理し、トヨタと販売店が情報を共有することで、これまで以上に正確な納車時期を顧客に伝えることができる。
同日、名古屋オフィスで報道向け説明会を開いた。J―スリムでは、まず車種ごとに最長2年分の生産予定枠をあらかじめ設定。販売店での受注完了時点で、トヨタは工場の生産予定日をそれぞれの販売店に伝えることができる。販売店はトヨタからの情報を基に顧客に納車時期を通知する。その後も、販売店は受注した車がどの生産工程や、どこの保管スペースに置かれているかなどを常時把握できる。
トヨタは昨年7月、半導体不足などによる納期の長期化や混乱などを改善するため、J―スリムの開発に着手した。1月に発売したハイブリッド車「プリウス」で初めて導入した。
豊田章男会長(当時社長)からJ―スリムのプロジェクトを託された、友山茂樹・国内販売事業本部長は「豊田会長は1990年代後半、国内営業の課長時代に需給改革に取り組もうとした経緯がある。今回はそのリベンジだ」と話し、積年の経営課題に挑んだことを明かした。
足元10月時点の平均納期は、トヨタ車が4・7カ月、レクサス車が3・5カ月。ことし1月時点と比較してトヨタ車で1・3カ月、レクサス車で2カ月短縮した。友山氏は「J―スリムの効果は非常に大きい」と述べた。
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