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防災用品の関心高まる BCP見直し、中部企業増産対応も

井村屋が増産している備蓄用羊羹「えいようかん」
井村屋が増産している備蓄用羊羹「えいようかん」
 災害への備えとして防災関連用品の関心が高まっている。1月に発生した能登半島地震以降、中部企業の間でもBCP(事業継続計画)の見直し機運などを受けて飲料、非常食などの取り扱いが増えているほか、供給力確保に向けて増産に動く企業も。防災用品を扱う企業の現場を取材した。

長期保存
 需要が特に高まっているのが、長期保存できる飲料や食品類。
 カゴメ(本社名古屋市)は、長期保存が効く野菜ジュースやスープを組み合わせた「野菜の保存食セット」の売上高(出荷ベース)が、能登半島地震が起きた1月1日から25日までで前年同期比約2倍に伸びた。
 バローホールディングス傘下のホームセンターバロー(本社多治見市)は、1月中旬から全40店のうち約8割で防災用品の売り場を拡大。長期保存できる保存水の全店売上高は同25日までに前年同期比4~5倍に伸びた。水タンク、耐震マットなども売れているという。
 100円ショップのセリア(本社大垣市)も給水バッグや携帯トイレセット、家具転倒予防板などの販売が伸長し、1月時点で前年同月比2倍以上を記録した商品もある。三宅奈津子取締役は「東日本大震災や台風など過去の自然災害を受け、商品を随時拡充してきた」と話す。
 井村屋(本社津市)では備蓄用羊羹(ようかん)「えいようかん」シリーズの受注量が平時の4倍にのぼり、EC(電子商取引)、小売店、自治体全ての販路から注文が増えている。本社工場では、増産対応として土曜日の休日出勤も実施している。
自治体、法人も
 防災用品メーカーのコケナワホールディングス(本社清須市)は、手のひらサイズの携帯トイレ「ぽけっトイレ」の販売がドラッグストアなどを通じて拡大。国からは能登半島地震の被災地支援用に9万個受注している。
 輸入車販売のホワイトハウス子会社のTCL(本社名古屋市)は、3月に悪路走行に適した米ポラリス社のバギー計10台を東京消防庁や総務省消防庁に納入する。全国各地の消防本部で救助車両として使われる予定だ。
 バギーはぬかるんだ道や浸水地などの悪路も走ることができる。これまでに東京消防庁に2台納入し、災害時の機動的な救助車両として活用されている。能登半島地震を受け、急きょ引き合いが強まっているという。
 防災用品メーカーのLA・PITA(ラピタ、本社四日市市)は、水や非常食、携帯トイレなどの販売が法人向けも伸びており、澤直樹会長は「能登半島地震をきっかけに、現状のBCPを見直す機運が高まっている」と指摘する。
 防災意識が高まる中、中部経済連合会の関係者は「企業には安全確保に向けた備えとともに、『自助』としての企業活動の維持や早期回復を目指す準備を確実に実施することが求められている」と話している。

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