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現場監督の残業削減へ 中部の総合建設業 24年問題対応、業務改革を加速

名工建設は業務改革を進め、現場監督を含めた全部署の平均残業時間を削減している(写真は同社提供)
名工建設は業務改革を進め、現場監督を含めた全部署の平均残業時間を削減している(写真は同社提供)
 中部地方の総合建設各社が、現場監督の残業時間を減らそうと業務改革を進めている。名工建設(本社名古屋市)は、現場が行ってきた産業廃棄物の処理に関する業務の一部を、安全指導部署の安全部へ移管している。徳倉建設(本社名古屋市)は、着工時の計画書作成など後方支援業務を手掛ける「生産技術部」を設立した。建設業では、残業時間の上限規制が適用される「2024年問題」が迫っており、現場監督の負担軽減に総力を挙げる。

 名工建設は22年度から順次、現場で発生した産業廃棄物の処理に関して、他社へ委託する事前確認の一部業務を安全部へ移管している。土木部担当者は「現場ごとで産業廃棄物の種類、委託先が異なるため、現場監督にとって手間のかかる業務ではあった」と話す。
 一部の部署に対しても、諸官庁への提出書類や施工計画書などの作成でワークシェアを実施している。業務の平準化が奏功し、現場監督を含めた全部署の23年度の平均残業時間は21年度比で約4割減少した。
 さらなる業務移管を進めるため、23年秋には全社員のパソコン約千台を全て刷新した。総務部担当者は「全社員がどこにいても、書類作成ができる環境に向けた設備投資だ」と説明する。
 徳倉建設は23年に、新たに生産技術部を設立した。現場が多忙な時期などに、工事内容の変更や完成時の図面、数量計画書などの作成を手掛ける。早期に作図、書類作成に着手することで、「既設の建物や他の資材とぶつからずに資材を設置できるか」「必要なクレーンや重機を配置できるか」などを確認できる。
 現場作業員は「問題点を早期に抽出し、解決することで円滑な工事が可能となる。工事の品質、原価の向上にもつながる」と業務移管に手応えを感じている。
 現場監督は従来、昼に工事の進行管理を行うため、書類作成などのデスクワークは夜に取り組むしかなく、長時間労働が常態化していた。ただ、24年4月1日から、建設業でも働き方改革関連法案が適用される。時間外労働は年720時間以内という制限が設けられ、月45時間を超えるのは6カ月が限度となる。人手不足が深刻な建設業では、業務効率化が最大の課題となる。
 矢作建設工業(本社名古屋市)は21年に、建築・土木工事の業務効率化をサポートする建築企画部と土木企画部を設立した。現場監督の業務移管などを進めているが、移管する業務の選定には慎重だ。広報担当者は「原則、現場監督は現場の全てを把握していることが望ましい。安易な業務移管は現場監督の成長機会を奪う可能性もある」と語る。
 長時間労働の見直しが進む建設業だが、業務効率化と人材育成を両立できるかが一段と重要になる。

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