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トヨタグループ、工場で広がる水素利用

☆水素
☆水素
 トヨタグループの間で、工場で水素を利用する取り組みが広がっている。水素は燃えても二酸化炭素(CO2)を出さず、脱炭素に効果的なエネルギーとして有望視されているためだ。一方でかねてから水素の高い価格やインフラ不足などの課題が指摘されており、自前で製造する試みにも挑戦。将来に向け工場の”水素化”を進めようとしている。

 水素を利用しようとしているのは主に熱を必要とする設備だ。水素は燃えやすい特性を持ち、親和性が高いからだ。ジェイテクトの花園工場(岡崎市)にある鋳造設備では、材料に熱を加える「水素バーナー」の導入を進めている。これまでの燃料のガスから置き換えることができれば、燃焼に伴う二酸化炭素(CO2)を減らせる。
 トヨタ自動車・水素ファクトリートップの山形光正氏も「ゴムやガラス製品の熱処理など、水素が燃料として適している工程がたくさんある」と説明。水素利用が一段と広がる可能性を示唆した。
 水素で発電するFC(燃料電池)フォークリフトの導入も。豊田自動織機は、高浜工場(高浜市)で自社製造の車両を約40台利用している。工場内には水素充填(じゅうてん)所を設置。作業場所の近くで素早く水素充填できるよう環境を整え、作業効率などが高まるか効果を検証中だ。
 自前で水素を製造する試みも相次ぐ。水素価格は他の燃料と比べ割高感があるほか、安定的に調達する仕組みも確立されていないのが現状で、一連の課題解消につなげようとしている。
 デンソーは3月、福島県の生産子会社・デンソー福島でトヨタとともに水素を製造する実験を開始した。トヨタ製の水素製造装置は、電気と水道水から水素をつくる。再エネ由来の電気を用いるため、製造時に実質CO2を出さない「グリーン水素」になる。
 水素はそのまま工場内で使用。同じ場所で水素を「地産地消」することで水素運送の手間などを解消。25年まで検証を行い、コストや調達の安定性などを確認する。
 また、アイシンは自ら水素を製造する技術開発に乗り出している。日本特殊陶業(名古屋市)や九州大学(福岡県)と連携し、電気と水から水素をつくる固体酸化物形電解セル(SOEC)の研究を進めている。
 今後、工場での水素利用が広がれば、水素に関する課題の解消につながることが期待されており、グループ各社は水素社会実現への一助を担いたい考えだ。

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