トヨタグループ不正で「総点検」 職場の風土改革も
ダイハツ工業や豊田自動織機の認証不正に伴う車両の減産が、中部の中堅部品メーカー各社の業績に影響を与えそうだ。また、トヨタグループの不正が相次ぎ発覚するなか、中部の中堅部品各社は「他人事ではなく、自分事として対応する」(加藤茂和・愛三工業取締役執行役員)と話すなど、ガバナンスなどをテーマに社内の再点検に取り組んでいるようだ。
減産規模
「現時点で、減産(の規模)に関する正確な情報をつかめていない」。ファインシンターの小林努取締役常務執行役員は率直に打ち明ける。
大豊工業は、仮に1カ月間ダイハツの生産が停止した場合、売上高で最大7千万円下振れると想定。東海理化と中央発条は、3月いっぱいダイハツの生産が止まるケースも覚悟し、売上高で最大30億円、15億円それぞれ減少する予想を立てて、通期予想に織り込んでいるという。
また、ファインシンターはダイハツに加え、豊田織機の不正に伴う減産影響も顕在化する場合を予想。売上高で計3億~4億円の影響が出る可能性を見込んでいる。
「職場総点検」
加えて、急ピッチで進んでいるのが社内の再点検だ。愛三工業は2023年から「職場総点検」と呼ぶ活動に乗り出している。品質保証を中心に仕事の進め方、職場風土などを確認し、課題が洗い出されれば改善するよう努めている。
特に「燃料ポンプのように人命に関わる製品を手掛けている」(加藤取締役執行役員)こともあり、品質確保を重要なテーマと位置付ける。
フタバ産業は、23年6月に品質保証部門を社長直轄に変更。従来は技術担当の役員が品質保証を兼務していたが、「違う目で正確に品質を確認できる」(大橋二三夫代表取締役)体制にする。
ファインシンターは、コンプライアンス(法令順守)強化などに取り組む「コーポレートガバナンス部」を立ち上げた。全社的に現場で起きていることに目が行き届くよう、従業員へのアンケートやヒアリングを実施。また、東海理化もヒアリングを繰り返し行い、現場の状況を正確につかもうと努めている。
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