技術経営士の会東海支部 ロケット部品調達へ新組織 宇宙産業参入を後押し 北海道の発射場と連携
技術経営士の会東海支部は3月15日、名古屋市の大名古屋ビルヂングで、HOSPOの運営を手掛けるSPACE COTAN(本社北海道)の小田切義憲CEOを招いた講演・意見交換会を開く。これをキックオフイベントとし、モノづくりインフラへの参加企業を募る。HOSPOで年内に予定されている打ち上げに向けて、取り組みを加速する方針だ。
ロケットの打ち上げまでには、部品の故障や不足などさまざまなトラブルがあり、追加の部品調達に時間がかかり、計画が大きく遅れることもある。構築を目指しているモノづくりネットワークでは、HOSPOで打ち上げを行うロケットメーカーの要望を聞きながら必要な部品を製造できる企業をマッチングし、素早い供給で打ち上げの成功を支える。
HOSPOは世界の民間企業が利用でき、水平離着陸と垂直打上げ対応型の宇宙港としては、アジア初。地球の自転のエネルギーを利用できる東側と地球観測衛星の軌道である南側の両方に打ち上げが可能で、世界的にも注目度が高い。現在発射場の増設が進んでおり、宇宙版シリコンバレーを目指している。
宇宙産業は、成長産業として世界から関心が高く、市場規模は2040年に100兆円まで拡大するという試算がある。ロケットには航空機と同程度の部品点数があり、開拓余地は大きい。自動車・航空機産業など製造業が盛んな中部地方の企業の宇宙産業への参入を後押したい考えだ。
富田茂事務局長は「ロケット製造に参入することは大きな負担やリスクを伴うため難しいが、モノづくりインフラ(ネットワーク)であれば多くの企業にチャンスがある。ぜひ参加してほしい」と話している。
技術経営士の会(東京)は、エンジニアと経営の経験を併せ持つ技術経営士の知見を生かすための専門家集団。会員は約140人。東海支部は唯一の支部組織。支部長は元トヨタ自動車副社長の新美篤志氏が務めているほか、会員には元シーキューブ社長の片桐清志氏、元名菱電子社長の岡野勝氏、元中部電力副社長の越智洋氏らが名を連ねる。
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