取材ノート ステーションAi開設を前に
■スタートアップ支援拠点「ステーションAi」(名古屋市昭和区)の開業を10月に控え、年初から名古屋の経済団体や証券界、さまざまな場所で期待する声が聞かれた。
とはいえ、愛知県は自動車産業の街である。確立されたサプライチェーンの中で長く生活してきた地域だ。4年間の刈谷支局赴任で染みついた身には、そんな地域で簡単にスタートアップが集積できるか懸念の方が大きかった。
開業に先駆けて、名古屋市中村区に開設された「プレステーションAi」には、懸念の色眼鏡で出かけた。昨年12月のことだ。プレステーションAiには当時、282社がメンバーに加わっていた。
果たして実際はホテルのような開放的なロビーに、装飾された大きなツリー。横には、入居企業向けのヨガ教室開催のお知らせ。奥へ進むと、資金調達などさまざまな講座の案内があった。学びの場だけでなく愛知県職員の部屋もあり、普通のレンタルオフィスとは様相が異なる。
入居する起業家に話を聞けば、自動車関連メーカーに勤めながら事業を立ち上げたという。まさに、ものづくり地域ならではのスタートアップも入居していた。ステーションAi、本当に楽しみな展開になりそうだ。色眼鏡はもうはずした。
■松田 理恵子(まつだ・りえこ)岡山県備前市出身。昨年10月から本社勤務。金融と証券、建設業を担当。正月で実家に帰省中、能登半島地震が起きた。老いた親を思って故郷に帰り、被災した人もいると考えると余計に胸が詰まる。
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