トヨタなど3社 デンソー株を売却 将来の成長投資へ計10%
トヨタ自動車と豊田自動織機、アイシンの3社は29日、保有しているデンソーの株式の一部を売却すると発表した。3社が売却する株の合計は、自己株を除く発行済み株式の約10%分に相当する。トヨタは、売却で得た資金を電動化やソフトウエア開発など将来の成長投資に充てる方針だ。
トヨタはデンソー以外のグループ株についても「各社と協議を進めている。各社株の保有比率は20%を目安にする」(山本正裕経理本部本部長)とし、今後グループ全体で株の持ち合いの見直しを進める考えを明らかにした。その上で、20%の水準について、グループ各社の資本構成で筆頭株主の地位を維持できる水準と説明した。
今回の売却でトヨタのデンソー株の保有比率は、24・2%から20%に下がる予定。トヨタの売却額は現時点の株価(29日時点が2298円)を踏まえると、約2900億円になる見込み。
豊田自動織機のデンソー株の保有比率も10・2%から6・2%に低下する。アイシンはデンソーの保有株1・7%分を全て手放す予定だ。
一方、デンソーは2024年3月までに株式全体の約4・2%分を上限に自己株式の取得を行う。取得額は上限2千億円。
また、デンソー自体もアイシンや豊田自動織機など保有株の一部を縮減すると発表した。
東海理化は、デンソーが同社の保有株の売却を決めたことを受け、デンソーが保有する株式を含む700万株のTOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。買い付け価格は1株につき2183円。
デンソーは第3位株主で、9・7%分を保有。うち7・3%分を取得する。
名古屋証券取引所で会見した東海理化の収益改革本部・篭橋榮治本部長は「持ち合い解消が、デンソーとの取引に影響を与えるとは考えていない」と話している。
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