エネルギー各社、環境コンサル強化
CO2排出量可視化
「(協業の)パートナーを探しながら、新たな成長分野の道筋を確立していきたい」。東邦ガス(本社名古屋市)のCSR環境部CSR推進グループマネジャーの山田康志氏は意気込む。
東邦ガスグループは、取引先のカーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)対策をワンストップで引き受ける脱炭素化コンサルの「CN×P(シーエヌピー)サービス」を2022年7月から本格的にスタート。脱炭素に向けた目標設定などを支援するCNロードマップ策定支援などに取り組んでいる。
製品1個単位の二酸化炭素(CO2)排出量を可視化するクラウドサービスは9月から開始。経営コンサルティングのセレンディップ・ホールディングス(本社名古屋市)と組み、開発した。製品別のCO2排出量などを実測でリアルタイムに可視化できる点が強みだ。
コンサルから高効率設備の導入提案などのエンジニアリングまで、ワンストップでサービスを提案。脱炭素コンサル全体で年間数十件の契約を目指す。
PCB分析
中部電力の子会社で、発電関連設備の保守・管理や環境関連事業を手掛けるテクノ中部(本社名古屋市)は、有害なPCB(ポリ塩化ビフェニル)含有が懸念される電気機器の処分支援に力を入れている。低濃度のPCB廃棄物の処分期限は27年3月末に迫っている。古い変圧器など主に小型の電気機器が対象で、PCB含有機器であれば期限までに完全処理する必要がある。
テクノ中部は、累計で60万検体以上の豊富な実績を基に、PCB含有調査を実施。分析、処分状況の届け出のほか、機器の無害化処理事業者の仲介サポートまで行う。営業部営業グループ長の北村浩昭氏は「経験実績や価格競争力を強みとする、当社の事業をご提案できれば」と話す。
一番の選択肢
一般家庭向けにも脱炭素化を促す動きがある。リンナイ(本社名古屋市)は、電気とガスを組み合わせた家庭用ハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE(エコワン)」を売り込む。CN意識の向上などもあり、22年度のエコワンの販売台数は、21年度比で約3割増と過去最高を記録した。「高効率機器の提案が(脱炭素化などへの)一番の選択肢になる」(広報担当)とし、販売促進活動を継続する。
各社ともリアルとオンラインの展示会を融合させた「メッセナゴヤ2023」に出展し、サービスや製品の拡販につなげたい考えだ。
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