取材ノート 社長の言葉と好決算
「イエスマンはつまらない。社長の考えに盾突くぐらいの社員がちょうど良い」―。コロナ禍でも過去最高の業績を更新した、取材先の社長が漏らした一言だ。その社長は年頭訓示で「生意気な社員であれ」と社員を激励しているという。
コロナ禍で話題となったが、自分の意見や気持ちを安心して話せる状態を表す「心理的安全性」という言葉がある。ビジネスシーンでは、部下が上司に対して、遠慮なく意見を言える状態を心理的安全性が高いと表現する。
「生意気な社員であれ」は乱暴なフレーズだが、裏を返せば「多少の失礼なら許容してやる」という意味とも受け止められる。率直な意見が飛び交う会議であれば、好決算につながるアイデアも出そうだ。
大半の企業では「意見は何でも言ってください」などありきたりなフレーズが使われているのが実情だ。そのような企業では遠慮が先行して、生意気な社員は生まれなさそうだ。成長企業をいち早く見極めるためにも、社長が日頃から発している言葉に注目したい。
■野田 哲示(のだ・てつじ)運輸、建設・不動産、外食などの業界を担当。先輩記者から「より良い記事を書くには、実際に製品やサービスを利用するのが一番」と言われ、外食チェーンに行く機会を増やしている。
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