アイロック、運転シミュレーターの活用の場広がる
実車に近いリアルさ
同社は2016年に車の運転シミュレーター「T3R」を開発。現役のプロレーシングドライバーであり、前社長の古賀琢麻インターナショナル・ビジネス担当取締役が開発に関わり、ステアリングなどの操舵感、アクセルやブレーキを踏んだ時の車体の揺れなどを再現した。
実車に近いリアルさが評価され、完成車メーカーの先進安全機能を顧客が体験できるよう、車の販売店で設置が進んだ。例えば、トヨタ自動車の車両を扱う販売店での導入台数は、全国で約400台に上る。
販売店を通じて認知度を高めてきた一方、ここ数年間は新製品の開発にも力を入れ、事業領域を拡大してきた。
22年1月には、新たな運転シミュレーターを開発。見通しの悪い交差点や、死角からの人の接近など事故が発生しやすい状況を再現した。運転をもとに、危険予測能力や急加速の回数などを個別にレポートする。
企業向けには従業員の運転講習ツールなどとして提案を強化している。例えば運送業向けに、トラックの運転席目線での講習ソフトを構築。自動車学校で運転講習を受けさせる手間や費用を省けるメリットをアピールし、これまでに約30台を導入した。
トレーニング
23年4月には、けがや病気から回復し、運転再開を目指す人向けにトレーニング機能を搭載した製品も開発。認知判断能力や操作能力を測る訓練などを取り入れた。繰り返しトレーニングして運転能力向上を図り、運転可能か医師が判断材料とする。
桑原義孝マーケティング本部長は「事故の無い社会の実現のため、車の安心安全ニーズに応える製品を提供していく」と力を込める。
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