中部の外食 注文システム、ロボ導入加速 コロナ禍収束、客数増で効率化推進
機会ロス防げ
「急な欠勤者が出るだけでも、団体客を案内できないことがたびたび起きていた」と打ち明けるのは、居酒屋「がブリチキン。」などを展開するブルームダイニングサービス(本社名古屋市中村区)の担当者。昨年11月から3店で注文システム「らくらくスマホオーダー」の試験導入を始めた。
客は自分のスマートフォンで各テーブルのボードからQRコードを読み取り、メニューを表示して注文。同じテーブルの客同士で注文履歴の共有や、支払い金額が確認できるすぐれものだ。
今月から全直営店(20店)に拡大した。20店以上あるフランチャイズチェーン(FC)店への展開も視野に入れている。機会ロスが減らせるだけでなく、注文のしやすさから客単価の上昇にも寄与しているという。
同システムの販売を手掛ける春日井流通マシン(本社春日井市)の担当者によると、「卓上型タブレットと比べて、モバイル注文システムは導入コストの安さから、最近は個人経営の喫茶店でもご検討いただいている」と説明する。
負担軽減
カニ料理専門店の札幌かに本家(本部名古屋市中区)は3月から、名古屋駅前店、栄中央店など一部の大型店で、配膳ロボットを導入した。料理運搬用のエレベーター口から客室前まで料理を運搬、テーブルには従業員の手で届ける。担当者は「当社は接客サービスを重んじるため、使用は繁忙期などに限定したい」と話す。
物語コーポレーション(本社豊橋市)は、「丸源ラーメン」32店で卓上型の注文タブレットを導入している。2024年6月末までに、同ブランドの直営全店(約80店)に拡大する方針。同社は、食べ放題焼き肉店「焼肉きんぐ」など他ブランドでタブレットを先行導入しており、導入ノウハウを丸源ラーメンにも水平展開する。
担当者は「注文をデジタル化することで従業員は調理作業、配膳作業など他のサービスに集中できる。アルバイトの研修期間も短縮できて効率的」と語る。
客足が戻ってきた外食業界。デジタル機器やロボットを上手に使いこなせるかが、今後の業績も左右しそうだ。
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