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都市再開発特集

SDGs特集
長期的な視野で持続的発展へ

SDGs日本の取り組み

図1

日本政府は、16年5月にSDGs推進本部を設置。日本のSDGs推進に向けた具体的施策を示した「SDGsアクションプラン」を公表。行政・民間セクター、NGO・NPOなど、さまざまなステークホルダーが意見交換を行うSDGs円卓会議を実施している。  持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)とベルステルマン財団によって作成されたSDGs達成状況分析レポートでは、21年の日本の評価は18位。16年から21年までの日本の平均順位は15・7位、平均スコアは78・6点となっている。(図1)

日本の課題は、目標5(ジェンダー平等を実現しよう)、目標13(気候変動に具体的な対策を)、目標14(海の豊かさを守ろう)、目標15(陸の豊かさも守ろう)、目標17(パートナーシップで目標を達成しよう)。中でも、目標15は進捗が後退している。SDGsアクションプラン2021では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げ、50年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に最大限注力するとし、太陽光・風力・地熱・バイオマスといった再生エネルギーや新エネルギーの打ち出しが強調されている。

また20年7月、日本政府は「石炭火力発電の海外輸出を原則支援しない」と表明。カーボンニュートラルに向けた研究開発を加速度的に促進する方針を固めた。

これからの社会は、IT化の進展・エネルギー転換・消費者ニーズの多様化に伴い、大きな変化を迎える。SDGsによって描かれる未来社会から先を読み、長期的な視野で自社の持続的発展を考える必要がある。

カーボンニュートラルの動きが加速

図2

21年9月時点でカーボンニュートラルを宣言した国・地域は120を超えており、脱炭素化に向けた動きは世界的な潮流となっている。日本も「2050年カーボンニュートラル」を宣言。21年6月、民間企業の大胆なイノベーションと挑戦を後押しする「グリーン成長戦略」を策定した。

「グリーン成長戦略」では、脱炭素化の実現に向けて、今後、温室効果ガスの排出を削減する観点で重要な産業を14の分野で設定。(図2)研究開発、実証、導入拡大、自立商用といった段階に合わせ、分野横断的な5つの主要政策ツール(予算、税制、金融、規制改革・標準化、国際連携)を打ち出している。予算に関しては、「グリーンイノベーション基金」を創設。目標達成に挑戦することをコミットした企業に対して、技術開発から実証・社会実装までを支援する。そのため新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に2兆円の「グリーンイノベーション基金」を造成した

また、税制に関しては、脱炭素化の効果が高い製品への投資を優遇。大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備導入、生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備導入に対し、最大10%の税額控除または50%の特別償却を措置する「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」を創設。コロナ禍の厳しい経営環境の中でも果敢に脱炭素化に向けた投資や研究開発に挑む企業に対し、「繰越欠損金の控除上限を引き上げる特例」「研究開発税制の拡充」を行い、企業の投資意欲を下支えするとした。

中部圏においては、20年3月、水素の需要拡大と安定的な利用のためのサプライチェーン構築を目指し、民間企業11社によって水素大規模利用の可能性を検討する「中部圏水素協議会」を設立。これは、産業界全体で横断的に検討を進める、日本初の取り組みである。水素利用産業が集積する中部圏で日本の先駆モデルとして技術開発、コスト低減、事業の道筋づくりを行う中部圏水素協議会の活動は「2050年カーボンニュートラル」の達成と「持続可能なエネルギーサイクルの実現」に大きく貢献し、産業界全体の取り組みを加速させる契機となるだろう。

SDGsの見える化

国連開発計画(UNDP)は、持続可能な開発目標達成に向けた民間資金の流れを拡大するため、SDGsに資する投資や事業のガイドラインや世界基準を示し、適合した案件を認証する「SDGインパクト」の策定を進めている。認証の対象は、事業、プライベート・エクイティ・ファンド、債券の3つ。企業や投資家が適切な意思決定を行い、より持続的な世界をつくるために利用できる実践ツールとしている。

また、基準に基づき、指定された第三者機関による認証制度「SDGインパクトシール」の導入を予定。こうしたSDGsの取り組みに関する「見える化」が本格化している。日本でも「SDGs登録・認証制度」の展開や、様々なステークホルダーによる事業の取り組みに対する評価手法の枠組みについて具体化が本格的に進められている。SDGsに関する取り組みが「見える化」されることで、企業の認知度向上、金融機関からの融資機会の拡大や地方公共団体及び民間団体等との連携機会の拡大、人材確保に向けた機会の拡大が期待される。  中部圏においては、愛知県が21年9月1日にSDGs登録制度の創設及び募集を開始、三重県は10月上旬SDGs推進パートナー募集を開始予定。岐阜県は20年4月にSDGs推進ネットワークを立ち上げ、21年8月時点で会員数は775会員。経営リスクの回避と新たなビジネスチャンスの獲得による持続可能性を追求するツールとして、地域特性を生かしたSDGsの活用が注目を集めている。

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2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
Japan Mobility Show Nagoya2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
主催:中部経済新聞社、TOKAI RADIO、中日新聞社、中日スポーツ、東海テレビ放送

JAPAN MOBILITY SHOW 2025に出品された国内外の四輪・二輪車メーカーのコンセプトカーや最新市販車に加えて次世代モビリティに関する展示のほか、各種試乗会などの体験型催事など各種イベントの開催を予定します。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
あいちITSワールド2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
9:00~18:00(最終日は17:00まで)
主催:愛知県ITS推進協議会、中部経済新聞社

「市民参加」や「ITS体験」を特色とした「ITS世界会議愛知・名古屋2004」の理念を継承し、愛知県がITSの先進県としてさらに発展していくことを目指して2005年にスタートしたイベント。

2025年11月22日(土)
第11回 全国高校生コマ大戦
Japan Mobility Show Nagoya場所

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
主催:中部経済新聞社、全日本製造業コマ大戦協会

2025年、11月に開催する「Japan Mobility Show Nagoya 2025」会場において「第11回全国高校生コマ大戦」を開催します。今回の大会では、東海地区の高校生を中心に全国から100チーム(予定)参加を募って実施いたします。