若者主軸にリニューアル SDGsアイチエキスポ開幕 消費者の声生かしたい
商談はしない
「商談をするつもりはない。若い世代などの声を直接聞くために初出展した」。関市に主力工場を持つ刃物大手の貝印(本社東京都)研究開発本部サステナビリティ推進部の菅原晃次長は、今回の出展の狙いを話す。再生材を使用したカミソリなどの商材や環境に配慮した企業活動についてどう感じているか、学生らの声を直接聞き、商品開発などに反映していく考えだ。
健康食品の開発・販売を手掛けるトーカイ(本社名古屋市)も今回が初出展。細胞が自ら不要な物質を除去し、リサイクルするシステム「オートファジー」を促すサプリメント「センシンレン」や自社の特許技術を一般消費者に広く知ってもらいたいとする。
今回の展示会は「子ども・ユースフェア」を掲げ、高校生や子ども連れの来場を促す企画としてリニューアル。豊田自動織機やアイシンなどの企業、大学、行政機関がSDGsについて考えるワークショップを初開催するなど、工夫を凝らしている。
技術を伝承
若手に興味を持ってもらい、技術を伝承しようとする企業も。愛知県の「あいち女性輝きカンパニー」認証企業のブースのうち小島組(本社名古屋市)は、女性技術者が活躍している様子をパネルなどでPR。実際に浚渫(しゅんせつ)船で作業している女性技術者も会場入りし、女子学生と語り合う様子も見られた。木村道広専務は「一般的に知られる機会の少ない業種だが、女子学生が自分も活躍できると思ってもらいたい」と力を込めた。
愛知県信用保証協会のブースは、取引先支援として、染織工房「紺屋のナミホ」(常滑市)の天然藍染めを紹介。桑山奈美帆代表は「知多半島の繊維の文化を残したい。子どもたちに商品に触れてもらい、学校との関わりができれば」と意気込む。
人づくり
同展示会は、グローバルな視点を持ちながら地域で行動する人づくりや、新たな産学官連携を狙いに2020年度から開催し、今回で6回目(オンライン開催を含む)。
主催者の「SDGs AICHI EXPO実行委員会」会長の大村秀章愛知県知事は、開催に当たり「今年はSDGsの達成を先導する役割が期待される若者をメインターゲットとしてリニューアルした。SDGsに取り組む方たちが連携することで、愛知のSDGsを前進させていきたい」と話した。
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