山地補修資材の利用拡大 中電グループのシーテック 森林災害を未然防止 登山道や史跡にも
■自然の石
KODOBOKUは、自然の石や砂利、間伐材を補修に活用する技術だ。電力送電鉄塔の敷地補修で得たノウハウを蓄積してきた。専用資材として、石やがれきを塊にする「ストーンバック」や細かな編み目で砂利を詰める「ステンレス砂利バック」、間伐材を固定するワイヤなどをそろえている。いずれも軽く持ち運びがしやすい。素材にはステンレスなどを利用し、屋外での高い耐久性も備えている。
また、高い実用性が特長だ。専用資材のみを運べば、施工場所近くの石や間伐材などを有効活用して補修ができる。加えて一般的な土木現場で使用するような重機を使わずに人手で作業できる。
■愛知環境賞
石を詰めた状態のストーンバックなどを設置すれば、風雨による土砂の移動を抑え山地の浸食を防ぐ。同時に緑化を促進し、その後の水の流れも分散する効果を引き出す。2024年度には愛知県の「愛知環境賞」金賞を受賞した。
15年に電力送電鉄塔の敷地の補修技術として誕生した。鉄塔の補修に限らず、直近では京都府の急斜面の森林整備や愛知県幸田町の国史跡「島原藩主深溝松平家墓所」の簡易治水工事、石川県能登地域での震災後の林道補修などに利用されている。
12月4、5日にポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催する「建設技術フェア」に出展しKODOBOKUをPRする。自治体などへの提案も進め、一段の利用拡大を目指す。シーテックの営業統括部の担当者は「現地資材である石や土、木を特殊資材により活用することで、『森づくりの手助け』も行っていく」と話している。
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