麺もスープも具材も 100%植物由来のラーメン開発 給食事業の エブリフード 大阪万博で披露、商品化も視野
ラーメンの開発には、植物性油脂などを提供する不二製油の技術「MIRACORE(ミラコア)」を用いた。油脂とたん白の技術を融合し、植物性食品の「物足りなさ」を補う。スープは豚骨など一般的な動物性たんぱく質を一切用いず、完全植物由来の原料で「豚骨しょうゆ」を実現した。
ラーメンの代表的な具材のチャーシューも豚肉を用いず、日本の伝統的な食材「車麩(くるまふ)」で代用。スープから麺、具材まで完全植物由来とした。同社としても初の試み。開発担当者は「日本古来の技術も用いながら、未来につながる和食の姿を目指した」と話す。
開発の背景には「多様性」もある。近年は日本国内で働く従業員の国籍が多様化しており、ビーガン(完全菜食主義者)メニューなど、食の多様性も求められる。動物性原料を多く使用するラーメンの改良に取り組んできた。「世界食」とも認知されるラーメンを通し、健康・宗教上などの理由で食の楽しみを制限される人たちにも「ミライのワショク」の姿として提案する。
今月11日には、大阪・関西万博会場内のORA外食パビリオンで開かれたオールパーパス・フォーラム(主催=不二製油)で「愛知県の食堂会社が魅せる ミライのワショク」をテーマに、プレゼンテーションを実施。完全植物性ラーメンを初披露した。
12~18日まで、大阪市西区京町掘のカフェ「No Name coffee」で、1日30食限定で提供する。販売価格は税込み千円。今後、本格的な商品化に向けた準備を進めるほか、うどんやそばなど他のメニューへの展開も視野に入れる。
エブリフードでは「『ミライのワショク』は、誰もがおいしさをあきらめないこと。長年の給食事業で培った知見を生かし、日本や世界の食文化に貢献したい」と話している。
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