全国唯一のブロック経済紙 愛知・岐阜・三重・静岡の経済情報

中部経済新聞 購読者向け中経企業年鑑データサービス申し込み・ご利用はこちら

中部経済新聞を読んでいる会社は強い

名証、新規上場10年で10倍 個人投資家重視が浸透

来場者でにぎわう「名証IRエキスポ」の会場
来場者でにぎわう「名証IRエキスポ」の会場
 名古屋証券取引所の新規上場企業数が「うなぎ上り」で増えている。2024年の新規上場数が20社だったのに対し、今年は8月末時点で21社と、前年を上回る勢いが続く。10年前は新規上場数が2社のみだったが、現在は10倍に増えた格好だ。東京証券取引所の厳格な上場基準に対し、相対的に名証への上場を選ぶ企業が増えているほか、個人投資家を重視した情報発信の姿勢が浸透。名証による企業への積極的な営業も奏功しているようだ。成長性が期待できる元気な企業が名証に集まっている。(小山楓)

30回の節目
 名証は5日、名古屋市千種区の中小企業振興会館(吹上ホール)で、IR(投資家向け広報活動)イベント「名証IRエキスポ2025」を開幕した。上場企業や証券会社など135社が出展。今年で30回の節目を迎えるとあって、企業関係者や投資家など多くの来場者でにぎわう。会期は6日まで。2日間で8400人の来場を見込む。
 IRエキスポは、上場企業と投資家が直接触れ合うことができるイベント。企業の業務内容や業績などをわかりやすく紹介するブースや、著名人による講演会、金融セミナーなどを実施する。
 オープニングセレモニーで、名証の竹田正樹社長は「1994年のスタートから記念すべき30回を迎えることができた。出展企業の皆さまはぜひ対話の中で投資家が何を求めているのか、肌で感じてほしい」とあいさつ。また、「IRに対する企業の理解が深まっており、イベントの重要性も高まっている。個人投資家を重視する当社として、企業と投資家をつなぐ貴重な場になれば」とアピールした。理解深める
 上場企業ブースでは開場直後から、IR担当者と投資家が積極的に意見交換する姿が目立った。今年3月にプレミア市場に上場した、ソフトウエア開発のシステムリサーチ(本社名古屋市)は初出展。担当者は「個人投資家と交流できるIRエキスポに魅力を感じ、上場の決め手にもなった。BtoB(企業向け)がメインなので、一般の方にも広く会社について知ってほしい」と期待を寄せる。
 2007年から出展するスズケン(本社名古屋市)は「ブースには若手社員が立ち、事業や業績、還元内容について紹介している。投資家の皆さまとの交流を経て自社への理解を深め、新たな気付きを得てほしい」(担当者)といい、社員の成長にもつながっている。
次のステップ
 新規上場企業数が年々増加している背景について、岡地証券調査情報室の森裕恭室長は「小型の銘柄にも関心が向きやすく、値動きの軽さも名証の魅力だろう」とみる。また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの塚田裕昭調査部主任研究員も「上場のハードルも低く、次のステップを見据えた成長性の見込まれる元気な企業が東海地域で増えているのでは」と分析する。
 一方、今年新規上場した企業のうち、東海3県以外に本社を置く企業の数は18社。中京大学経済学部客員教授などを務めるエコノミストの内田俊宏氏は「相対的に低い上場基準は、企業にとってモチベーションになるが、投資家の視点でみると、企業の成長性の懸念材料になる」と指摘。「投資家ニーズに応え、上場を維持するための成長性を示す指標も必要ではないか」と話している。

全文1322文字

記事をもっと読むには・・・

【購読のご案内】中経を読んでいる会社は強い
【購読のご案内】中経を読んでいる会社は強い

2025年9月6日の主要記事

ご意見・ニュース提供
新聞広告出稿
土曜日紙面サンプル閲覧
電子版中経オンライン
アラジンオフィス
名糖産業株式会社
オートモーティブ ワールド
購読者特典 中経企業年鑑WEB版申し込み

会社概要メニュー

出版物のご紹介 一覧へ

中経企業年鑑登録

イベント情報一覧へ

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
Japan Mobility Show Nagoya2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
主催:中部経済新聞社、TOKAI RADIO、中日新聞社、中日スポーツ、東海テレビ放送

JAPAN MOBILITY SHOW 2025に出品された国内外の四輪・二輪車メーカーのコンセプトカーや最新市販車に加えて次世代モビリティに関する展示のほか、各種試乗会などの体験型催事など各種イベントの開催を予定します。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
あいちITSワールド2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
9:00~18:00(最終日は17:00まで)
主催:愛知県ITS推進協議会、中部経済新聞社

「市民参加」や「ITS体験」を特色とした「ITS世界会議愛知・名古屋2004」の理念を継承し、愛知県がITSの先進県としてさらに発展していくことを目指して2005年にスタートしたイベント。

2025年11月22日(土)
第11回 全国高校生コマ大戦
Japan Mobility Show Nagoya場所

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
主催:中部経済新聞社、全日本製造業コマ大戦協会

2025年、11月に開催する「Japan Mobility Show Nagoya 2025」会場において「第11回全国高校生コマ大戦」を開催します。今回の大会では、東海地区の高校生を中心に全国から100チーム(予定)参加を募って実施いたします。