中部経産局 空飛ぶクルマ参入シンポ スカイドライブなど事例紹介
次世代の移動手段「空飛ぶクルマ」の機体開発が世界各国で進む中、サプライチェーン(供給網)への参入を促すシンポジウムが19日、名古屋市中村区の愛知県産業労働センター(ウインクあいち)で開かれた。中部経済産業局の主催。定員いっぱいの約100人が詰めかけ、会場は熱気に包まれた。
中部は航空機や自動車産業が集積し、空飛ぶクルマの機体製造にも大きな期待がかかるが、参入企業は限定的。同シンポジウムは最新の業界動向やリーディングカンパニーの事例紹介を通じ、参入を検討する製造事業者らに理解を深めてもらう狙いで開催した。
中部経済産業局の担当者が2023年10月に立ち上がった推進組織「中部次世代空モビリティ社会実装準備ネットワーク」の取り組みを説明したほか、デロイトトーマツコンサルティング合同会社の菅原匠冶氏が、同局が昨年度実施した参入可能性調査の結果を報告。各国メーカーのサプライチェーンにトヨタ自動車、スズキ、デンソー、タマディックなど日系企業が一部参入している状況や、量産に向けた動きが活発になる第1世代の機体に比べ、水素など次世代パワートレインが構想されている第2世代の機体開発の方が、参入余地が見込めることを紹介した。
当地でのサプライチェーン構築に向けては、「グローバルでは国を挙げてさまざまな企業が協力し、人材、設備を共有しながらの実証が盛んに行われている。日本、特に中部でもしっかり実現していくことが今後求められる」と研究開発を効率的に行う必要性などを訴えた。
企業の事例紹介では、AeroEdge(エアロエッジ)、SkyDrive(スカイドライブ)、多摩川精機、ニデックの幹部が登壇。スカイドライブ取締役CTO兼航空安全統括管理者の岸信夫氏は、サプライヤーの高度な電子装備品や軽量化の技術に期待を示した上で、「安全性とコストを両立した、日本から発信する新しい生産プロセスと安全基準をぜひ実現したい」と意欲的に話した。その後、パネルディスカッションや名刺交換会も行った。
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