女子中高生向け職場体験ツアー 愛知の12社相次ぎ企画 理系進路の選択肢拡大へ
職場体験ツアーを企画(実施分含む)したのは、愛三工業、エイチームホールディングス(HD)、おとうふ工房いしかわ、小島組、テルミック、トヨタ自動車、名古屋銀行、日東工業、フタバ産業、松尾製作所、丸八テント商会、盟和精工の12社。
愛知県出身でメルカリ創業者の山田進太郎氏が設立した財団、公益財団法人山田進太郎D&I財団が中高生女子向けのSTEM(理系)体験プログラム「Girls Meet STEM(ガールズ・ミート・ステム)」を主導し、愛知県も県内学校への周知などに協力した。
固定観念払拭へ
エイチームHDは7月29日、名古屋市の本社でオフィスツアー「ゲーム作りやデザインのお仕事をのぞいてみよう!」を実施した。参加した中高生17人のうち10人が東海、4人が関東、2人が中国・四国、1人が関西からだった。女性のゲームプランナーやウェブサービスのデザインを手掛けるデザイナーが、エピソードを交えて業務内容を紹介したほか、パネルディスカッションでは参加者からの「数学が苦手でも理系は大丈夫か」「役立った資格や学習は」などの質問に答えた。
広報担当者はオフィスツアー実施の狙いについて、「STEM分野で活躍する女性社員と中高生が直接交流することで、『STEM分野は男性向き』といった固定観念を払拭し、将来のキャリアを具体的に想像するきっかけを提供したい思いがあった。今回の初開催を通じて、STEM分野で働く女性社員がロールモデルとなることの重要性を再確認した」と語る。継続的に接点を持つ機会提供の必要性も学べたという。
関東、関西からも
おとうふ工房いしかわでは、8月6日に高浜市の本社で「1日に2万丁売れる!おとうふ屋さんの理系のお仕事に迫る!」をテーマにした食品製造の舞台裏ツアーを開いた。豆乳の凝固反応や味の変化を化学の視点から紹介。参加者から「家でもやってみたい」などの声があったほか、菓子など幅広い商材を扱う自社の取り組みに興味を持ってもらえたという。
担当者は「当社は女性管理職の比率が36%と高く、理系も多いことから中高生のロールモデルとして良いのではと考えて開催した。驚いたのは来社された15人のうち愛知県は5人で、関東や関西からの参加が多かったこと。学べる内容なら、遠方からでも意識が高い人に興味を持ってもらえることがわかった」と手応えを感じた様子だ。
山田進太郎D&I財団の担当者は、「愛知県はSTEM領域の女性就業率が低いが、仕事がないのではなくミスマッチが起きていることも要因の一つ。STEMに触れる機会を広げるとともに、地元企業の魅力を発見できる取り組みを加速していきたい」としている。
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