自動車部品のデンソーダイシン 有人飛行機のエンジン部品供給 27年めど、自動車向け技術活用
(半田・倉科信吾)
昨年12月には、宇宙分野で輸送機を開発する名古屋市内のスタートアップに、無人機(重量50キロ)用のエンジン部品を供給した。無人機は、高度8千メートルから1万2千メートルまで飛行できる。
さらに、デンソーダイシンは、無人飛行機用のエンジン部品を供給した名古屋市内のスタートアップから、無人機(重量100キロ)のエンジン部品を年内にも受注する見込み。同機体は、宇宙空間の手前まで飛行できるエンジンを搭載する予定。
名古屋市内のスタートアップは、段階的に輸送機の実証実験を進めている。最終的にはデンソーダイシンが有人飛行輸送機のエンジン部品を製造・供給する計画だ。
デンソーダイシンは、ディーゼルエンジン部品をはじめ、精密加工や部品組み付けの技術を駆使し、自動車を走行させる心臓部であるエンジン周辺の構成部品を主に手掛けている。主力の自動車部品で培った生産技術などを生かし、今年4月には、東北地方の宇宙スタートアップに対し、宇宙衛星機のフレーム部品を供給した実績もある。
デンソーダイシンは売上高の9割以上が自動車部品。新しい収益の柱を構築するため、今年1月に新事業開拓課を新設した。脱炭素化の社会的なニーズが高まるなか、水素エネルギー関連装置向け部品製造の可能性も探る。担当者は「現在、さまざまな技術のシーズを検討し新規事業の可能性を模索している。宇宙分野もその一つだ」と意気込む。名古屋市で11月に開催する「メッセナゴヤ2025」の出展を機に、事業の可能性を広げる狙いだ。
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