鋳造設備メーカー 新東工業 米インターン生受け入れ 日本の企業風土やモノづくり学ぶ
鋳造設備メーカーの新東工業(本社名古屋市)は、今月末までの約2カ月間にわたって、米国の大学からインターンシップ(就業体験)生を受け入れている。日本の企業風土や商習慣、モノづくり、文化などに触れてもらう目的で実施。今年で31回目を迎える同社の伝統的なプログラムで、財務や機械工学、データ分析などの専門知識を持つ3人が参加し、学びを深めている。
ノートルダム大学のMBA(経営学修士)候補生2人と、ミシガン工科大学の学生の計3人が参加。5月29日に来日し、7月25日までの約2カ月間、研修のプログラムに取り組んでいる。
プログラムの前半では、新東工業の歴史や理念などを学んだ後、安全に関する研修や装置の組み付け工程の時間短縮を図る研修、発送作業を効率化する研修などを行った。後半は、それぞれが得意とする専門の分野に分かれ、与えられた課題に取り組む。
監査法人での勤務経験があるノートルダム大MBA候補生のタイラー・ロバーツさん(30)は、ファイナンスの知識を生かして有価証券報告書の英訳作成などに取り組む。「日本の歴史や伝統など背景を理解した上で、敬意を大切に、提案していきたい」と力を込める。
同じくノートルダム大のトゥシャー・パラスランプリアさん(28)は「体系的な仕事の進め方を学びたい」と話す。経営戦略に役立てるためのデータ解析を担う「ビジネス分析」を専攻しており、新東工業が手掛ける遠隔モニタリングなどのIoT(モノのインターネット)製品の販促提案を行う。
ミシガン工科大のケタン・カルカレさん(29)は、機械工学のなかでも材料に詳しい。3Dプリンターの活用に関連したプロジェクトを担当し、取り組みを通じて「米国は個人主義が強いが、日本は家族的なつながりを大切にしている」と、日米の違いを肌で感じている。
このプログラムは、かつて、新東工業の技術提携先の表面処理大手の米国ホイールアブレーター社(WA社)の副社長の兄がノートルダム大の総長を務めていた関係から、交流したことがきっかけ。1992年からノートルダム大のMBA候補生を対象にしたインターンシップ生の受け入れを始め、ミシガン工科大からの受け入れは2017年に加わった。
(竹田ゆりこ)
記事をもっと読むには・・・