飼料製造などの亀屋商事 鶏卵加工センター移転増強 岐阜・岐南町内12億円投資
新たな加工センターは岐南町若宮地2の11外に建設している。敷地面積は2409平方メートル。建屋は鉄骨造りの2階建て。延べ床面積は2419平方メートル。
設備は既存の加工センター(岐南町伏屋6の80の1)から移設するほか、新規に粉末卵を生産するスプレードライヤー(噴霧乾燥機)、液卵を生産するバッチ式殺菌機も増設し、生産能力を倍増させる。フル稼働時、液卵は1日当たり最大20トン、粉末卵は同1トンを見込む。投資額は用地購入費も含めて12億3千万円。
同社は養鶏向け配合飼料をはじめ鶏卵加工品を生産し、近年は養鶏事業にも進出した。飼料生産から鶏卵加工まで自社で一貫対応する。年商は約50億円。鶏卵加工センターの増強は、鶏卵加工品の安定供給に向け、自社でサプライチェーンの強靭化(きょうじんか)を図りたい考えがある。
液卵は卵の殻と膜を取り除いて殺菌・製造する。大手食品メーカーが用いる大量生産に適したパイプラインによる連続式殺菌に対し、同社はタンクで加熱するバッチ式殺菌を採用する。タンクの洗浄・材料の入れ替え作業が伴うため手間と時間がかかるが、連続式に比べて粘度が高く気泡を含みやすい。例えばパンやケーキなどであればよりふっくらと焼き上がる。
また、汚染などの事故が発生した場合も該当タンクの生産停止などで被害拡大を抑止できる。自社で生産した飼料を用いて飼育することで、川上から川下まで製品の安全性を社内で一貫管理する体制をとる。
国内はバッチ式殺菌を用いる事業者が希少なため、より付加価値の高い液卵を求めて全国から同社への注文が増えているという。加えて国際的に多発する鳥インフルエンザに対し、食の安全保障の観点から液卵より保存性の高い粉末卵の国内増産も求められている。山〓(﨑)社長は「食のサプライチェーン維持のため、微力ながら鶏卵の安定供給に努めたい」と話している。
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