東三河で工業団地新設続々 「名豊道路」全線開通契機に 先行する豊川市、追う豊橋と蒲郡
(三遠・立松鉄洋)
名豊道路に新設される豊川為当(ためとう)インターチェンジ(IC)を持つ豊川市は、全線開通を「待ってました」といわんばかり。ICに近い地域に「白鳥地区工業団地」を愛知県企業庁が主導する形で新設する。分譲面積6万3千平方メートルは「問い合わせが相次ぐ」状態で29年に分譲開始する。
さらにICに隣接する場所に「為当地区工業団地」の新設計画がある。正式決定ではないが、愛知県企業庁が造成を担う方向。分譲面積は14万平方メートルと大きいものの企業の進出意欲は高く、完売が十分予想される。
候補地域を拡張
この豊川市を好例として追いかけようとしているのが東三河の雄、豊橋市だ。豊橋市北部の東名高速道に豊橋新城スマートICが早ければ27年に供用開始される。その周囲に工業団地の新設を水面下で検討していた。ここにきて豊川市の人気を横目に工業用地の候補地選定地域を豊橋市南部の名豊道路沿いに拡張した。
有料の東名高速道より無料の名豊道路の方が企業が進出を考える可能性が高い、という計算が働いても不思議はない。25年度当初予算案に新規事業として3千万円を計上。進出意欲を持つ企業へのアンケート調査、候補地の絞り込みを本格化させていく。
また蒲郡市は、23年度当初予算に「新しい企業用地(工業団地)の適地調査費」として870万円を計上していた。これまでの2年間で分譲面積1万平方メートルから10万平方メートルまでを想定した候補地を41カ所ピックアップ。25年度以降は候補地の絞り込みを具体的に進めていく。
市長発表に驚き
これら名豊道路沿いの自治体による工業団地新設の動きに触発されたかのように動き出したのが新城市、下江洋行(ひろゆき)市長だ。
豊橋新城スマートICの供用開始を前提に周辺道路の整備事業費1億6千万円を25年度当初予算案に計上した。その発表記者会見で下江市長が突然、10万平方メートル規模の新しい企業団地開発の検討に入ることを発表した。
驚く事務方の横で「市内産業の発展には企業誘致が欠かせない」と続けた。東三河の他の自治体は事実上ライバルとなる。今後は「横の動き」を見ながら企業の進出意欲や用地確保の難易度を確かめ、立地場所を選定することになる。
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