エイチーム M&A投資100億円へ 28年7月期までに 林社長インタビュー
同社は引越し侍などを通じて提携事業者に送客する事業を主力としてきた。集客のノウハウを生かして、法人向け集客支援や業務効率化支援に取り組んでいる。
サービスを拡充するため、M&Aを加速。直近ではウェブマーケティング運用代行業のWCA、ポイントアプリを提供するPaddle、ヘッドレスCMS(コンテンツ管理システム)を提供するmicroCMSを子会社化した。3月にもウェブメディアを運営するストレイナーが傘下入りする。経営コンサルタント業のアドバンテッジアドバイザーズとも24年6月から事業提携を結び、M&Aに関して支援を受けている。
「例えば既存のエンジニア向けサイト『キータ』でmicroCMSの製品を紹介すれば、導入が増える可能性がある。相乗効果で収益を直線的ではなく指数関数的に伸ばす」と説明。実際にmicroCMSが加わった24年6月から、11月には月次経常収益が12・4%増加した。
グループ企業数が拡大する中、「合衆国化」にも心を砕く。「弊社の色に染めるのではなく、価値観を認め合っていく」とし、人材交流を推進。エイチームからmicroCMSに20代の社員が取締役として入った例もあり、「人材育成にもつながる。自分自身が成長できるチャンスがあれば、採用にも効果的」と評する。子会社との上下関係も作らず、「『買収』ではなく『ジョイン』など言葉を大切にしている」と話す。
M&Aによる事業成長を急ぐ背景には、東証プライム上場を堅持したい考えがある。24年7月末時点で698円だった株価を858円に引き上げる必要があり、「すべては株価を意識した経営からスタートする」と語る。
24年8~10月期の連結決算は、営業、経常、純損益とも黒字化。「投資のタイミングを事業ごとに調整したほか、ドッグフードや化粧品を扱うEC事業が投資回収の時期に入ったことや、ゲーム開発を協業に切り替えて安定的な経営体制に変えたことが大きい。黒字体質を実現し株価低迷を防ぐ」と意思を固める。
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