水野会長「待ったなしで前進を」 中経連、物流24年問題で提言書
中部経済連合会は4日、物流委員会が取りまとめた提言書「持続可能な物流の構築に向けて」を公表した。ドライバー不足と運送業界の二酸化炭素(CO2)排出量削減状況などを紹介した上で、問題の対応策などを提示。出荷依頼から納品までのリードタイムについて、余裕を持たせた設定を発注者(荷主)側に求めるほか、長時間の荷待ち時間の短縮、煩雑な荷受けや荷渡し作業の改善策などを掲げた。関係する行政機関に提出し、物流問題の改善につなげる。
提言書は、同日開催した中経連の総合政策会議で承認された。記者会見で中経連の水野明久会長(中部電力相談役)は「中部圏、ひいてはわが国の経済を下支えするものづくり産業が持続的に発展するためには、『経済の血液』とされる物流を止めないことだ」と指摘。「原料調達から製品納入、販売に至るまでの安定した物流の構築が極めて重要になる」と話した。ドライバー不足や、来年4月から適用される時間外労働規制などによる輸送能力不足などの「物流2024年問題」への対応、脱炭素対策など、「先送りできない社会課題として、待ったなしで前進させる必要がある」と強調した。
中経連副会長で物流委員長の安藤仁氏(日本トランスシティ社長)は「物流業界の2024年問題は、単年度の問題ではなく、物流問題がより深刻になるトリガー(引き金)となることを認識している。持続可能な物流構築は、将来に必要不可欠と考えていただきたい」と述べた。
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