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取材ノート 老舗企業の共通点

 ■最近、いわゆる老舗と呼ばれる二つの企業を続けて取材した。2社とも地域に根差した地場産業といえる企業だ。このように長く商売を続けている企業は、伝統を重んじたぶれないコアと、柔軟な変化対応の両面を持ち合わせていることが多い。
 コア事業は、愚直なまでに昔ながらの方法でものづくりをする。それが企業ブランディングの根幹となり、付加価値を生む。だが、それだけに甘んじることなく、コア事業を応用した新商品の開発や、新たな販売先の開拓などに取り組む。時代に合わせて臨機応変な挑戦を続けている。
 どっしりと大地に根を張り、そびえる大樹の幹と、年々生え変わる枝葉のようなイメージだ。
 数十年前、ある業界専門紙の駆け出し記者だった当時、創業400年以上の老舗企業を取材した際の社長の言葉が記憶に残る。「伝統とは革新の連続だ」と。その企業も長期の需要低迷で厳しいと言われる業界環境の中で、今も立派に経営を続けている。
 ■吉川 英司(よしかわ・えいじ)瀬戸市出身。尾張支社勤務。8月の異動で、取材エリアが尾張西部に変わった。土地勘がない場所も多いので、効率的な動き方を考えたい。

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