取材ノート まちづくりの鮮度
■名鉄知立駅は1日3万人が乗り降りし、3万人が乗り換え、計6万人が利用するという。知立市の人口はざっと7万人。市の人口とほぼ同規模だ。商業者にとって垂ぜんの的のはずが、現在は鉄道高架化に伴い4層構造となる駅舎だけが目立つ。
市などは、知立駅付近連続立体交差事業などに合わせて駅周辺のにぎわいを創出しようと先週、産学官民による推進組織を立ち上げた。本年度に未来ビジョンの中間とりまとめ、来年度に未来ビジョンを策定するという。
その事業計画に、若者言葉で思わず突っ込みたくなった。「え、待って。青写真をこれから描くって、どゆこと」。市は従来から「100年に一度のまちづくり」を掲げ、自認してきたのではなかったか。
知立市商工会は、既に駅前のにぎわいづくりを創出する案を作成。何度も勉強会を開いている。それをどう活用するかの説明もない。5年後に同事業は完了しようというのに、この牛歩ぶりはどうなのだ。
設立総会で同商工会の新美文二会長は「まちづくりには鮮度が大切だ」と語った。確かに事業完了前の今しか旬はない。まちづくりを地域と共に推進するために昨年度、地域活性化推進本部を立ち上げた名鉄が今回、組織の会員になった。これを好機に、名鉄と早急に駅前構想を具体化すべきだ。
■松田 理恵子(まつだ・りえこ)岡山県備前市出身。刈谷支局で碧海5市と西尾市を担当。1年の中で夏は最も好きな季節だったが、この暑さにまいっている。北アルプスに逃避行したい。
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