イクタ
アイル販売・在庫管理システム「アラジンオフィス」導入で業務効率化実現

イクタ本社社屋
フローリング材メーカーのイクタ(本社瀬戸市坊金町117)は、天然木にこだわった多品種・小ロットの高品質なものづくりが強み。フローリング業界は合板表面に木目の印刷シートを貼り付けた製品が主流だが、同社は天然木を使った製品が約7割に上る。約200種類もの製品をそろえ、暮らしを彩る多様なニーズに応えている。
【顧客対応の質向上】
2022年4月にアイルの販売・在庫管理システム「アラジンオフィス」を導入した。以前のシステムは作動速度が遅く、顧客からの在庫確認に対する返答に時間がかかり、業務に支障をきたしていた。販売機会を逃してしまう懸念もあった。
「アラジンオフィスはキーを押したら1秒で在庫情報が出る。外出先の営業担当者からの求めにもすぐに対応できるようになった」と那須利英子営業部販売事務チームリーダーは効果を話す。在庫画面から受注処理に遷移できるようになるなど、メイン作業の大幅な時間短縮と利便性向上が図れた。
導入の決め手について石川雄一専務は、顧客ごとのさまざまな取引にも対処できる豊富な機能と柔軟なカスタマイズを挙げる。導入にあたり、「商売の流れなど非常に細かい部分まで業務ヒアリングを行ってくれた。業務に合った提案と課題解決に繰り返し対応してもらい、希望したことは全てかなった」と振り返る。
以前は同じ商品でもロットごとに新たな商品マスタを作成する必要があったが、一つの商品マスタでロット別の在庫管理が行えるようになった。
顧客や営業担当者の依頼で商品を事前に確保するキープ機能では、受注確定後、再度入力をせずに受注に反映でき、キープ数の消去処理も同時に行える。出荷予定先の順番を急に入れ替える案件が生じても一連の伝票を一括して変更できるようになり、スムーズな対応を可能にした。
入力ミスも回避でき、顧客対応の質が高まり、在庫回転率の向上にもつながっているという。

イクタ石川専務(左)と那須チームリーダー
【チーム残業ゼロに】
同販売事務チームの残業はほぼゼロになった。作業負荷が減り、ゆとりが生まれたことで、営業担当者に頼まれたもの以上の資料を用意したり、システムを活用したさらなる業務効率化にも取り組めている。那須リーダーは「導入後も分からないことや試してみたいことなどを気兼ねなく聞け、レスポンスも非常に早い。何となくイメージを伝えても意図をうまく汲み取ってくれる」と強調する。
【帳票作成機能でデータ分析・活用推進】
また、各業務の明細表や集計表、順位表、推移表などの帳票作成機能「アラジンデザイナー」の活用も進める。
社内や、社外向け営業資料など各々が求めるデータの条件を細かく設定できる。石川専務は「分析資料がすごく出しやすくなった。エリア実績などが数字で目に見えることで、多くの気づきが得られている。今後、さらに活用の幅を広げたい」と期待を込める。
「アラジンオフィス」導入を機にクラウド型システムに移行。業務停止や日々のデータ喪失の心配がなく、BCP(事業継続計画)対策の効果も大きいと捉えている。

















