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環境特集 企業の取り組み
ヤマダインフラテクノス

当社が昨年から今年にかけて補修を行っている「名港西大橋」

豊かな日本のために橋を守り続ける

高度経済成長期に整備され我が国の発展に大きく貢献してきた道路橋ですが、近年では高齢化により深刻な損傷が見受けられます。鋼製橋梁に目を向けると、鉄の最大の弱点と言える錆が進行し鋼材を腐食させ、また長年の交通荷重が疲労として蓄積し鋼材にき裂を生じます。放置すれば落橋などの大災害につながる重大な損傷は、軽度なうちに手当し寿命を延ばす必要があります。

腐食は錆と旧塗装と同時に取り除き、耐久性の高い塗装に塗替えることで予防が可能です。しかし従来工法は、研磨材の破砕で大量の産業廃棄物を発生させていました。当社は、破砕せず何度も再利用できる研磨剤を使用し、廃棄物の発生を最小限に抑制する「循環式ブラスト工法」を開発し実績を重ねてきました。廃棄物の発生を抑制することこそが、廃棄物の運搬や処理に伴い発生するCO₂の排出抑制に繋がり、脱炭素社会実現へのカギとなります。この点が評価され、2021(令和3)年10月に、「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰内閣総理大臣賞」を受賞しました。

さらにこの工法を応用し、研磨剤をピーニング用投射材に置き換える事で、既設の鋼製橋梁の疲労強度を向上させ、き裂の発生を予防する「エコクリーンハイブリッド工法」も開発し実績を伸ばしています。こちらは、2022(令和4)年4月に「文部科学大臣表彰科学技術賞(技術部門)」を受賞しました。

これからも環境に配慮した工法で橋を守り続け、SDGsの推進に貢献します。