都市再開発特集
地下道環状化で回遊性向上
駅エリアの進化は地上だけではない。地下も変わりつつある。
店舗面積が名駅エリア最大のユニモールは、地下駐車場用の車道の関係で「奥行きが狭い」「天井が斜め」といった異形の店舗が多かったが、2012年から段階的に改修。88店のうち41店が入れ変わった。また改装工事完了に伴いロゴも変わった。2015年、旧テルミナが全面改装、それに伴い名称を現在のゲートウォークに変更した。大名古屋ビルヂングに直結するダイナードは2016年、同ビルのグランドオープンに合わせてリニューアル。店舗数は減少したが、その分通路は広くなり、電子看板が多数設置された。
2016年はもうひとつトピックがあった。シンフォニー豊田ビルの完成によって、ミッドランドスクエアなど4棟とミヤコ地下街、サンロードによる地下ネットワークの環状化が実現したのだ。それまで滞留していた客足を全体にまんべんなく行き渡らせることができるようになった。
メイチカの愛称で親しまれていた名駅地下街は2023年3月末、66年の歴史に一旦幕を下ろした。リニア中央新幹線の開業に向けて地上で進む駅前広場の再整備に伴い、地下街の空調設備を刷新するためで、2026年度に再開される見通しだ。
名古屋市によれば、名駅エリアの地下街は延べ面積8万3504平方㍍。駅ビルおよび周辺ビルの地下店舗群は、定義上、地下街に該当しないため、市が算出した延べ面積に含まれていないが、構造上、地下街と一体化しているため、先述した数値以上のスケールがある。地下から地上へ、地上から地下へといった縦方向の移動を含めて、立体的に回遊できるのが特徴だ。一方、複雑で入り組んだ構造から〝名駅〟ならぬ〝迷駅〟とやゆされるなど、改善すべき点もある。今後は、初めての来訪者や外国人にも分かりやすい動線の整備が進むことになりそうだ。