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都市再開発特集

スタートアップ/10月「ステーションAi」供用開始/開業5年後までにスタートアップ千社/革新的なビジネス育成へ

日本最大級のスタートアップ拠点「ステーションAi(エーアイ)」が10月に名古屋市昭和区に開業する。産業構造が変化する中、新たなビジネスや最先端技術を活用するスタートアップを誘致することで、地域の産業競争力を強化する。

■大規模な投資

愛知県は2月、2024年度当初予算案に、ステーションAiの管理運営事業費などを含む「スタートアップ関連事業」として128億470万円を計上すると発表した。大規模な投資に、県内スタートアップも盛り上がりをみせる。

ステーションAiは、鶴舞公園南側の敷地面積7332平方メートルに立地。建物は7階建てで延べ床面積は2万3613平方メートル。スタートアップやパートナー企業向けのオフィスに加え、イベントスペースや宿泊施設、託児施設、カフェ・レストランなどを備える予定だ。フランスの「ステーションF」をはじめ世界の支援拠点と連携しながら、革新的ビジネスの育成を目指す。

運営はソフトバンクの100%出資会社が担う。ノウハウを生かして、開業5年後までにスタートアップ千社を集める目標を掲げている。

■企業の取り組み

県はステーションAiのオープンに先駆けて、名古屋市中村区の「WeWorkグローバルゲート名古屋」に「プレステーションAi」を開設した。県と運営会社が連携し、新たなスタートアップの発掘・育成を図った結果、プレステーションAiには今年4月現在で、411社が集まった。メンバー登録している企業の取り組みをいくつか紹介する。

名古屋大学発ベンチャーで医療系IT企業のジークスは、小児科専用のオンライン診療スマートフォンアプリ「あんよ」を提供している。患者が自宅で診療を受けられる一方、医師も在宅ワークが可能なところが特徴。医師不足が社会課題となる中、子育て世代の女性医師の働きやすい環境づくりに貢献する。

医師はアプリに登録することで、最短1時間から働きたい時間にシフトを組める。医師の登録は無料。保険医登録先の医療機関がシステム利用料や事務代行委託費を支払う仕組み。

患者はアプリから医師と時間を選び、必要情報と症状の入力、子ども医療証と保険証を画像でアップロードすることにより、診療を受けられる。オンライン診療はビデオ通話を通じて行われる。アプリの利用料は無料。

村上嘉一社長は「軽症の場合や、薬のみの処方を希望される場合、離乳食についてなど子育てにおける日々の相談事がある場合などの利用シーンを想定している。子育てについての不安や悩みを気軽に相談できる存在となれたらと思う。また、これまで働きたくても働けない状況だった医師の皆さんに、当アプリをご活用いただきたい」と話している。

化粧品開発を手掛けるコガネスタジオは水を使わずにメイクが落とせる美容オイル「セラクレンズ」を開発した。適量を手に取り、手でメイクになじませ、ティッシュや蒸しタオルなどで余分なオイルを抑えるように拭き取ると、メイク落とし、洗顔、保湿が完了する。通常の洗顔やクレンジングのように、こすることがないため、肌トラブルを防げる。

コロナ禍を経て、手洗い・消毒が習慣づけられたことを背景に、洗いすぎによる肌トラブルに着目。クレンジングから洗顔、保湿まで1本で完結する新商品の開発に至った。

植村元社長は「水が不要なため、アウトドアシーンや美容サロン、病院などにも活躍の場がある」と期待を込める。今後、介護施設や美容サロンなど向けに大容量商品や詰め替え用商品も用意する。

デザイン会社のピックスデザインは、野菜や果物など全国の地場産品を月額制で宅配するサービス「そのとちぎふと」を手掛けている。デザイン会社の強みを生かし、こだわりのある産品を自社で発掘。商品の特徴を冊子にして同梱(こん)している。

そのとちぎふとには、果物や野菜、魚など2食分と、おすすめのレシピや地域の観光スポット、生産者の思いなどを、文章と写真を使って32ページで紹介するオリジナル冊子を添付する。

生産者にもメリットがある。ピックスデザインが伝票や商品を入れるための箱など必要なものを全てそろえる。生産者は商品を詰めるなど最小限の作業で販売まで完結でき、一定数の売り上げを確保できる。

松浦克彦社長は「食べ物をきっかけに、地域の魅力を知ってほしいという思いでスタートした。地場産品の消費拡大につなげたい」と話した。

■イノベーション創出

県の担当者は「スタートアップを起爆剤とした絶え間ないイノベーションを創出し、引き続き、日本の成長エンジンとして世界での競争力維持を図っていきたい」と語った。また、スタートアップを千社集めるための戦略について、「今後も運営会社と連携し、プレステーションAiのメンバーがステーションAiに集まるように働きかけるとともに、新たな起業家の育成に取り組む、イベントを積極開催するなどステーションAiの魅力を発信していく」と力を込めた。

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2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
Japan Mobility Show Nagoya2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
主催:中部経済新聞社、TOKAI RADIO、中日新聞社、中日スポーツ、東海テレビ放送

JAPAN MOBILITY SHOW 2025に出品された国内外の四輪・二輪車メーカーのコンセプトカーや最新市販車に加えて次世代モビリティに関する展示のほか、各種試乗会などの体験型催事など各種イベントの開催を予定します。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
あいちITSワールド2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
9:00~18:00(最終日は17:00まで)
主催:愛知県ITS推進協議会、中部経済新聞社

「市民参加」や「ITS体験」を特色とした「ITS世界会議愛知・名古屋2004」の理念を継承し、愛知県がITSの先進県としてさらに発展していくことを目指して2005年にスタートしたイベント。

2025年11月22日(土)
第11回 全国高校生コマ大戦
Japan Mobility Show Nagoya場所

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
主催:中部経済新聞社、全日本製造業コマ大戦協会

2025年、11月に開催する「Japan Mobility Show Nagoya 2025」会場において「第11回全国高校生コマ大戦」を開催します。今回の大会では、東海地区の高校生を中心に全国から100チーム(予定)参加を募って実施いたします。