都市開発/高級ホテルの進出相次ぐ/中日ビル23日開業、93のテナントが入居/再開発進む名古屋・栄エリア
名古屋の中心繁華街である栄地区は、商業とビジネスに加え、観光拠点としての機能強化にも期待が高まっている。栄地区の南北中心軸である久屋大通公園周辺には、昨年7月に開業した「TIAD(ティアド),オートグラフコレクション」や今年2月に開業した「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 名古屋」など、高級ホテルの進出が相次いでいる。今後も複数のホテルの進出などが予定されており、再開発の機運が高まっている。
■全面開業
2021年2月に着工した中日ビルが23日、全面開業する。半世紀にわたって培った、かつてのビルの記憶と遺産を継承しながら、最新鋭の地上33階・地下5階の複合商業ビルへと進化。今年2月に先行開業したホテル「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 名古屋」をはじめ、東海地方に初進出する米国の高級コーヒー店「ブルーボトルコーヒー」などショップ、カフェ&レストラン、サービスなど全93テナントが入る。
中日ビルのはす向かいエリアで工事中の「錦三丁目25番街区計画」(仮称)は、26年夏頃に開業予定。地上41階・地下4階、高さ211メートルは中部電力ミライタワー(名古屋テレビ塔)より30メートルほど高く、栄エリアで最も高いビルとなる。四つの大通り(久屋大通、広小路通、錦通、大津通)に囲まれた立地を生かしたアプローチとするとともに、地下の大同特殊鋼フェニックススクエアとつなげて、地下と地上とをバリアフリーで自由に行き来できる歩行空間を実現するという。
低層階はパルコが運営する高級商業施設、中層階は栄エリア初のシネマコンプレックス「TOHOシネマズ」やオフィス、高層階には米ヒルトンの高級ホテルブランド「コンラッド」が入居する予定となっている。海外の富裕層などを呼び込むことができれば消費単価上昇と新たなにぎわいの創出につながりそうだ。
■伏見エリア
名駅と栄を結ぶ伏見のオフィスエリア、錦通り沿いで工事中の「錦通桑名町ビル」(仮称)は25年10月に竣工を予定している地上13階・地下1階のオフィスビル。地域の個性を表現した外観デザインになるという。
錦通を挟んだ対面の街区でも再開発の計画が取りざたされているが、一角には1935年竣工(しゅんこう)、名古屋市の都市景観重要建築物にも指定されている三井住友銀行名古屋支店があるため、計画が進むとすれば、この建物を残した新旧融合の再開発になりそうだ。