中小企業振興/中小企業基盤整備機構 中部本部/アドバイザー対応や研修など多彩なメニュー/中小企業の課題解決支援
中小企業を取り巻く環境は日々変化している。原材料費や人件費の高騰への対応や、デジタル化や脱炭素化への取り組み。さらには待ったなしの事業承継など中小企業が抱える課題は山積している。中小企業は地域の活力の原動力。中小企業基盤整備機構(中小機構)中部本部では、さまざまな支援メニューを展開し、中小企業の課題解決を支援している。
■スタートアップ挑戦を支援
スタートアップにはさまざまな段階があり、それぞれ課題も異なる。中小機構中部本部では中部地域でスタートアップを志す人や組織を対象にワンストップで支援するサービス「スタートアップ挑戦支援事業」を展開している。各自治体や支援機関とのネットワークを強化、スタートアップの発掘と支援を推進していく。
名古屋と浜松にスタートアップ支援に特化したアドバイザーを配置し、起業予定者やスタートアップが直面する戦略立案や事業計画など、様々な相談に無料で対応している。
また、今年10月オープン予定で愛知県が整備を進めているスタートアップ拠点「ステーションAi(エーアイ)」に集まる支援機関とも情報交換などを通じて関係を強化していく。また、ステーションAiに入居するスタートアップに中小機構の支援施策活用を働きかけていく。
また、オンラインマッチングサイト「J―GoodTech(ジェグテック)」にスタートアップマッチングの特設サイト「スタートアップマッチングスクエア」を開設。大手企業や海外企業等の連携・取引ニーズを公開するなど、リアルとオンライン両面でスタートアップの事業化を推進する。
■企業のIT化をアドバイザーが支援
中小企業のIT活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)へのニーズは依然高いものの、その実現には専門知識が必要となり人的資源に制約がある中小企業にとっては悩みのタネ。これらIT化に関する悩みや課題についてアドバイスするのが「IT経営サポートセンター」。オンラインによる無料の相談事業で悩みのレベルを問わず具体的にアドバイスする。相談は無料で予約制となっている。企業だけではなく、中小企業などを支援する支援機関などに対してもサポート。
■CN取組のための手引書作成
カーボンニュートラル(CN)への取組は全ての企業に求められているが、中小企業にとっては「何から始めたらいいかわからない」「取り組んでみたが、取り組み方が合っているか確認したい」などの疑問・課題に対応する相談窓口を設置している。リアル、オンライン、電話でCNの知見を持つアドバイザーが相談に応じる。相談は無料で、事前予約が必要。
昨年10月には中部経済産業局と連携し「製造業向けカーボンニュートラル取組手引書」を作成。CN実現に向け、取り組みの段階に応じた参考事例としても利用してほしいとしている。
■多彩な研修で人材育成を支援
日本経済全体が慢性的な人材不足に悩む中、中小企業はさらに厳しい人材難にあえいでいる。こうした中、中小企業大学校瀬戸校(瀬戸校)では、中小企業を対象とした約70コースの研修を開催。既存の社員のスキルアップを支援している。
今年度は自社のDX推進や管理職のメンタルヘルスに関する講座など、5つの講座が新しく加わった。
瀬戸校以外に、名古屋駅前キャンパスや東三河地域、三重県、岐阜県、静岡県、南信地域でサテライトゼミを開催予定。気軽に参加してもらえる環境を整える。
中小企業での人材不足が問題となるなか、在籍する社員に長く働いてもらえるような人事制度や社内体制づくりのため、社員研修の重要性を引き続き提唱していく。