自動車①/蒲郡で全日本大会開催/11月には世界ラリー選手権も/「ラリー」、中部地方で裾野拡大
中部地方で公道を舞台とする車両競技「ラリー」が盛り上がりを見せている。3月には蒲郡市で国内ラリー競技の最高峰「全日本ラリー」の初戦となる自動車レース「ラリー三河湾」が開催された。さらに今年11月には愛知、岐阜両県で世界ラリー選手権(WRC)も開催される予定だ。ラリーファンの裾野が一層と広がっている。
■熱気
ラリー三河湾は、初日にJR蒲郡駅前でセレモニアルスタートを実施した。会場は多くのラリーファンでにぎわい、熱気に包まれた。
ラリー三河湾は、2023年に幕を閉じた「新城ラリー」から開催地を引き継いで今年初めて開催した。新城ラリーは20年間続け、累計で約51万人のラリーファンが訪れた。国内有数の大会に育ち、地域振興にも一役買った。蒲郡市も同様にラリーを通じた地域振興につなげたい考えだ。
トヨタ自動車の豊田章男会長も会場に駆け付け、「多くの車好きが集まってくれた。熱い応援で盛り上げましょう」と会場に足を運んだラリーファンに呼びかけた。
期間中は蒲郡市内のコースを中心に熱戦が繰り広げられた。同市にあるトヨタグループの役員研修施設「KIZUNA(キズナ)」のダートコースでも競技が行われた。
■デモ走行
大会2日目には、キズナのダートコースでデモ走行を実施した。トヨタの豊田会長も参加し、迫力ある走りで多くのラリーファンを沸かせた。
豊田会長は「キズナのダートコースで(スポーツ車の)GRヤリスを走り込ませ、魅力ある車を誕生させた。キズナに多くのラリーファンを迎え入れ、ラリーを開催できることに幸せを感じている」とファンに向けて語った。
同市には多くのラリーファンが集結した。今後のラリーファンの裾野拡大や地域振興にも弾みをつけたようだ。
■振興の起爆剤
地域振興の起爆剤として期待されているのが世界ラリー選手権の日本ラウンド「ラリー・ジャパン」だ。
23年11月に愛知、岐阜の両県で開催され、約53万人が観戦した。実行委員会によると、経済波及効果は約126億円に上ったという。
メイン会場の豊田市は「地元をラリーの聖地にしたい」と意気込んでいる。豊田市を含め会場となる自治体では、地域振興への期待が高まっている。