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SDGs機運に対応/CO2や食品ロス削減

持続可能な開発目標(SDGs)への関心が高まる中、食品各社は、二酸化炭素(CO2)排出量や食品ロスの削減に動いている。

植物由来インクを使ったパッケージ(ハナノキ)
植物由来インクを使ったパッケージ(ハナノキ)

■脱炭素化へ

伊藤忠商事(本社東京都)は、国土交通省航空局が進める「輸入ニートSAF(廃食用油を原料とする航空機用再生燃料)モデル実証事業」におけるSAF供給事業者として、中部国際空港へのSAF搬入を完了し、飛行検査機に供給を開始した。ニートSAFの輸入は国内で初めて。

通常のジェット燃料と混合して、国内外の民間航空会社に供給していく。日本航空(JAL)は4月以降、中部国際空港でSAFを搭載する。

米穀卸のハナノキ(本社北名古屋市)は、2021年に商品の一部パッケージ用インクを石油溶剤から植物由来に変更した。

20年6月にSDGs推進チームを発足。目標の一つ「気候変動に具体的な対策を」を実現するため、植物由来のパッケージ用インクを導入した。新しいインク仕様のパッケージ素材に切り替える際にコストが膨らんだが、デザインを刷新してインク使用量を削減した。CO2の年間排出量を40キロ削減している。

残さを発酵させるバイオマスプラント(カゴメ)
残さを発酵させるバイオマスプラント(カゴメ)

カゴメ(本社名古屋市)は、野菜飲料を製造する富士見工場(長野県)と工場横の菜園で発生する野菜残さや、出荷できない野菜を再生可能エネルギーとして活用している。

残さを微生物によって発酵させ、バイオメタンガスを発生させるバイオマスプラントを導入した。ガスをボイラーで燃焼して蒸気を生成し、熱に変換してから、加熱・殺菌工程で利用する。同工場のCO2排出量を年間約20トン削減できる見込みだ。

冷凍おから(井村屋)
冷凍おから(井村屋)

■食品廃棄減らす

ハナノキは22年夏に、非常食や備蓄米などの廃棄分とパルプで作った名刺を導入した。順次、切り替えを進めている。

井村屋(本社津市)は22年2月、冷凍おからを商品化した。豆腐製造の副産物として年間1千トンのおからを排出し、主に飼料原料として社外に出している。社内のSDGs活動推進プロジェクトで、食品ロス削減とともに付加価値をつけた商品の開発を目指した。

冷凍おからは、「あずきバー」や「肉まん・あんまん」で培ってきた冷凍技術と流通網を生かして開発した。解凍後も生おからと遜色ない色合い、風味、品質を維持しているのが特徴だ。

まずは地元三重県のスーパーの総菜原料に採用され、安定的な人気を維持している。タンパク質と食物繊維が豊富な健康食材であり、冷凍で使いやすいことから、中部・関東地区のスーパーやホテルチェーンなどからの引き合いを増やしている。

24年3月期には、排出されるおからの4分の1~3分の1を活用できる見込みだ。今後、冷凍おからの賞味期限を伸ばしていくほか、自社製品の原料として活用を模索し、ロスゼロを目指していく考えだ。

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