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愛知県経営者協会会長 大島卓(おおしま・たく)氏に聞く/中部圏特集/今の時代に求められる働き方とは/多様な人材が活躍する場の創出を/新たな中期活動計画始動へ

「調査、提言にとどまらず、具体的なアクションを起こしていきたい」と話す大島会長
「調査、提言にとどまらず、具体的なアクションを起こしていきたい」と話す大島会長

人事・労務の専門団体として活動を行う愛知県経営者協会は、企業経営者や各企業の人事・労務担当に役立つ事業を強化している。新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、資源価格や原材料価格の高騰などで企業収益の下押し圧力が強まる中、どのような働き方が求められていくのか。会員企業が持続的成長を成し遂げるための経営課題の解決に力を入れる大島卓会長(日本ガイシ会長)に聞いた。

―コロナ禍でビジネス環境は大きく変化した。

「愛知県を対象とするまん延防止等重点措置は3月に解除されたが、感染者数は依然高水準で推移している。継続して感染予防に努め、段階的に行動緩和を進めていく必要がある。約2年前、コロナ感染症が拡大したころは、(企業収益に)どの程度のインパクトを及ぼすか分からなかった。業績予想を未定とする企業も多かったが、中国経済が早く回復し、自動車関係を中心に生産や販売が戻ってきた。一方で、飲食など対面型の業種は厳しい状況が長引く、いわゆる『K字型』の回復となった。半導体不足など部品の制約によるサプライチェーン上の問題や、原油など資源高、ロシアによるウクライナ侵攻の影響などが足元の課題としてある。今後は、デジタル化や脱炭素化など大きな社会・産業構造の変化を見据え、多様な人材が活躍できる場の創出や、従来の仕組みや慣行だけにとらわれない、働き方の見直しに取り組んでいく必要がある」

―先行きが不透明な中で行われた春の労使交渉はどうみる。

「経団連も(業績が堅調で)賃上げを積極的に行える企業には、賃上げを促してきた。賃上げを含めた人的投資は、将来の企業の成長につながる。ステークホルダー(利害関係者)は株主に限らない。従業員もそうだ。仕事をする社員、人的投資は会社のクオリティーの引き上げなどが期待できる。ただ、業績が厳しい企業は賃上げなどの面で苦労しているところもある。ぬか喜びしてはいけない」

―経営者協会として力を入れていくことは。

「2022年度は、3カ年の中期活動計画の新たなスタートの年になる。19年にスタートした3カ年の中期活動計画では、人材の確保と育成や労働生産性向上などの重点活動を継続してきたほか、コロナ禍で顕在化した新たな課題への対応に力を入れてきた。今後も、何のための経営者協会なのか、という点を意識し、経営者の皆さまのお役に立てる活動をしていく。物事を調査し、提言するだけにとどまらず、具体的なアクションを、実際に行動を起こしていきたい」

―企業の雇用に関して、中部経済連合会と共同で、会員向けに日本型雇用慣行に関する調査を実施している。

「新卒一括採用、終身雇用慣行、年功型賃金制度を全て兼ね備えたいわゆる日本型雇用形態の『メンバーシップ型』と、欧米で広く取り入れられている『ジョブ型』雇用に関して、調査・研究活動を進めている。5月末ごろに成果をまとめた報告書を発行する予定だ。ジョブ型雇用に関しては、歴史や社会構成など、さまざまなものがあって成り立っている。それが日本の雇用形態になじむかどうか。割り切りは必要だが、雇用形態を選択するのは各企業次第だ。自社型の、それぞれの企業の雇用形態の中身によって(可能な限り)フォローしていくことができればと思う」

―外国人材が活躍し続ける体制づくりも焦点になりそうだ。

「産業構造が変化し、世界情勢も複雑化する中、(在留資格や能力によって多種多様な)外国人材の活躍が今後一層重要になる。日本は少子高齢化の進展により、中長期的に労働力人口の減少が懸念されている。外国人材に合わせた採用基準の導入など、外国人材と一緒に働く環境を整えざるを得なくなるだろう」

―デジタル化への対応も課題になる。

「コロナ禍を機に社会のデジタル化が急速に進展する中、企業においては、業界や企業規模を問わずデジタル化への対応が喫緊かつ重要な経営課題となっている。愛知県経営者協会では、行政や教育機関と連携し、企業で活躍するデジタル人材の育成と確保に向けた取り組みを進めてきた。今後も取り組みを一層強化していく」

「コロナ禍は、デジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)など、働き方を考える機会になった。仕事の見直しに関して、大分進めることができたのではと思う。各社ごとに仕事の改善の度合いは異なるかもしれないが、働きやすさを感じるようになったのではないか。コロナウイルスとの共存は長期にわたることが考えられるが、経済活動を一刻も早く正常に近い形に近付けることが急務になる。『企業の課題解決への貢献』と『使用者側代弁者として提言・発信』を重要課題ととらえ、人に関して企業のお役に立つ愛知県経営者協会を目指していく」

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2024年5月18日(土)~19日(日)
エコカースタイル in オアシス21

オアシス21 銀河の広場
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EVなど最新技術を搭載したエコカー展示を行い、未来のモビリティライフを垣間見れる展示会

2024年6月8日(土)~9日(日)
名古屋で唯一の山岳関連イベント
第10回 夏山フェスタ

ウインクあいち(愛知県産業労働センター)7F・8F
主催:夏山フェスタ実行委員会

2日間にわたり、登山用品メーカーや自治体が出展!過去の開催では、トークショーや最新登山用品セミナー等の開催実績があり。

2024年6月27日(木)~28日(金)
第53回 建築総合展NAGOYA

ウインクあいち 7F・8F展示場
主催:公益社団法人愛知建築士会・中部経済新聞社

建築関連産業の課題解決と技術発展の一助とするため、製品・技術・サービスを一堂に集め、ビジネスと情報交流の促進を目的に1971年の秋より開催されている中部地区唯一の建築関連専門展示会です。

2024年10月11日(金)
しんきんビジネスマッチング「ビジネスフェア2024」

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第3展示館
主催:ビジネスフェア2023実行委員会

東海地区34信用金庫の取引先が、ポートメッセなごやに自慢の商品、技術、情報、知恵を持ち寄って、展示・PRします。