全国唯一のブロック経済紙 愛知・岐阜・三重・静岡の経済情報

中部経済新聞 購読者向け中経企業年鑑データサービス申し込み・ご利用はこちら

特別企画「エネルギーを考える」公開中

リニア工事や民間再開発/変貌遂げる中部の玄関口/コロナ後のビジネスや観光交流へ準備着々/再開発・名駅

中部地方の陸の玄関口としてにぎわう名古屋駅。2027年以降のリニア中央新幹線の開業を見据え、駅周辺は変貌を遂げようとしている。リニアの工事が進むほか、民間事業者による大規模再開発も相次ぐ。コロナ収束後のビジネスや観光などによる交流拡大に向けた準備が着々と進んでいる。

名鉄などが計画する再開発エリア
名鉄などが計画する再開発エリア

■中部圏の玄関口

名古屋駅が中部圏の玄関口として発展するには、日本有数のターミナル駅の駅前にふさわしい空間形成が必要となる。そこで、名古屋市は2014年に「名古屋駅周辺まちづくり構想」を策定した。リニア開業を見据え、鉄道事業者をはじめ、多様な主体が連携してまちづくりを進める上で、共有すべき目標像やその実現に向けた取り組みを示すためだ。

名古屋駅周辺の目標とするまちの姿は「世界に冠たるスーパーターミナル・ナゴヤ」に設定した。まちづくりの基本方針は(1)国際的・広域的な役割を担う圏域の拠点・顔を目指す(2)誰にも使いやすい国際レベルのターミナル駅をつくる(3)都心における多彩な魅力をもったまちをつくり、つないでいく(4)リニア開業を見据え、行政と民間が一丸となって着実に構想を実現する―の4点だ。

名古屋ビルディング桜館の外観
名古屋ビルディング桜館の外観

■民間事業者の再開発

まちづくり構想の実現には、民間事業者の再開発が欠かせない。コロナ禍やリニアの静岡工区の遅れによる開業時期の不透明感はあるものの、名古屋駅周辺では多くの再開発計画が前進している。

特に名古屋駅東側の再開発計画が目立つ。21年に「名古屋三井ビルディング北館」、今年3月には桜通り沿いに「名古屋ビルディング桜館」が誕生した。

名古屋三井ビルディング北館は、ミッドランドスクエアとモード学園スパイラルタワーの間に位置する。地上20階・地下2階建てで、延べ床面積は約3万平方メートル。低層が商業施設、上層がオフィスで構成する。

屋上には、オフィス従業員向けに「リフレッシュガーデン」を設けた。都心の真ん中で、緑に囲まれた開放的な空間で仕事ができる環境を用意した。商業施設には高級ブランド「グッチ」などが入居している。

一方、名古屋ビルディング桜館は、地下鉄桜通線・国際センター駅から徒歩2分の場所に位置する。地上12階・地下1階、延べ床面積は約1万1千平方メートル。ビルの外観は、名古屋駅前にある「名古屋ビルディング」と統一感を持たせ、新たな時代の幕開けをイメージしたドレープ状のデザインにした。

CO2(二酸化炭素)フリー電力を活用しているほか、大規模水害対策として中央監視システムを1階床面よりかさ上げするなど、企業の環境対応やBCP(事業継続計画)対策のニーズに応えている。

3月に開催した竣工(しゅんこう)式で名古屋ビルディングの赤澤由英社長は「素晴らしい設計デザインをご提供いただき、無事故、無災害でこの日を迎えられたことに、心から感謝の意を表したい」と謝意を述べた上で、「社員一同、(テナントのリーシング業務に)精一杯頑張りたい」と力を込めた。

名駅周辺に誕生した大型商業施設「イオンモール ナゴヤノリタケガーデン」
名駅周辺に誕生した大型商業施設「イオンモール ナゴヤノリタケガーデン」

■大型商業施設

名駅周辺では珍しい大型商業施設も誕生した。イオンは21年10月、名古屋市西区則武新町に「イオンモール Nagoya Noritake Garden(ナゴヤノリタケガーデン)」をオープンした。イオンモールとしては新しい取り組みとなるオフィスと商業一体型施設だ。

敷地面積は5万7千平方メートル、6階建てで、延べ床面積は約14万平方メートル。食品スーパーや約150の専門店、大型クリニックなどが入る商業エリアと、4~6階のオフィスエリア「BIZrium(ビズリウム)名古屋」などで構成する。

名古屋駅から徒歩12分で「ノリタケの森」の隣接地に立地する。新たな集客スポットとして、名駅周辺の回遊性向上につながっている。

今後の再開発で目玉となるのは、名古屋鉄道などが計画する大規模再開発だ。名鉄は17年、リニアの開業を見据え、名古屋駅地区のビルを他社と共同で一体開発する計画を打ち出した。

開発区域は2万8千平方メートルで、6棟あるビルを取り壊し、地上30階建て相当の巨大ビルを建設。オフィスやホテル、商業などで構成し、22年度から着工する予定だった。

しかし、コロナ禍で経営環境が激変。移動や宿泊需要の減少により、主力の交通事業を中心に収益が急速に悪化。事業環境が激変したことを受け、20年11月に再開発計画の見直しを発表した。

名鉄の高崎裕樹社長は今年3月の記者会見で「引き続き、関係者と協議している。24年度に方向性を示したい」と話している。名古屋駅周辺のまちづくりに大きな影響を与えるだけに、修正後の再開発計画に注目が集まる。

ご意見・ニュース提供
新聞広告出稿
土曜日紙面サンプル閲覧
電子版中経オンライン
アラジンオフィス
名糖産業株式会社

会社概要メニュー

出版物のご紹介 一覧へ

中経企業年鑑登録

イベント情報一覧へ

2025年10月10日(金)
しんきんビジネスマッチング「ビジネスフェア2025」

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第3展示館
主催:ビジネスフェア2025実行委員会

東海地区34信用金庫の取引先が、ポートメッセなごやに自慢の商品、技術、情報、知恵を持ち寄って、展示・PRします。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
Japan Mobility Show Nagoya2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
主催:中部経済新聞社、TOKAI RADIO、中日新聞社、中日スポーツ、東海テレビ放送

JAPAN MOBILITY SHOW 2025に出品された国内外の四輪・二輪車メーカーのコンセプトカーや最新市販車に加えて次世代モビリティに関する展示のほか、各種試乗会などの体験型催事など各種イベントの開催を予定します。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
あいちITSワールド2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
9:00~18:00(最終日は17:00まで)
主催:愛知県ITS推進協議会、中部経済新聞社

「市民参加」や「ITS体験」を特色とした「ITS世界会議愛知・名古屋2004」の理念を継承し、愛知県がITSの先進県としてさらに発展していくことを目指して2005年にスタートしたイベント。

2025年11月22日(土)
第11回 全国高校生コマ大戦
Japan Mobility Show Nagoya場所

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
主催:中部経済新聞社、全日本製造業コマ大戦協会

2025年、11月に開催する「Japan Mobility Show Nagoya 2025」会場において「第11回全国高校生コマ大戦」を開催します。今回の大会では、東海地区の高校生を中心に全国から100チーム(予定)参加を募って実施いたします。