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Logistics DX SUMMIT 2025

陸運・倉庫・タクシー/深刻な人手不足、輸送能力の向上進める/「2024年問題」対応急ぐ/業務効率化の動きが加速/

物流業は経済活動に欠かせない重要な社会インフラ。製造業や商品流通を陰で支えている。ただ、人手不足が深刻な業界で、トラック運転手の残業規制が始まる「2024年問題」による、輸送能力の低下が懸念されている。トラック運転手1人当たりの輸送能力を引き上げるため、業務効率化が喫緊の課題だ。タクシー業界でも、配車アプリを用いた業務効率化に注目が集まっている。

トラック運転手の減少で、30年に輸送能力が3割減するという試算がある
トラック運転手の減少で、30年に輸送能力が3割減するという試算がある

■時間外労働規制

24年4月から、自動車運転業務の時間外労働に年間960時間(月80時間)の上限規制が適用される。トラック運転手の労働環境を改善する狙いだが、人手不足が深刻な物流業界では「輸送能力が低下し、事業継続が困難になる」と不安視する声が多い。業界では「2024年問題」と呼ばれ、対応を急いでいる。

今の状態で24年を迎えると、輸送能力の低下は避けられない。物流の円滑化を担う日本ロジスティクスシステム協会(東京都)は「30年には物流需要の約36%が運べなくなる」と予測している。

大手運送会社の関係者は「03年にトラック運送業の参入規制が緩和され、事業者間の競争が激化した。それに伴い、トラック運転手の労働環境が悪化し、人手不足に陥った」と説明する。

■共同輸送

サントリーホールディングス(HD)と大王製紙は8月、関東と関西間の製品の共同輸送を開始した。岐阜県と静岡県を中継地点に1台のトラックで両社の製品を混載する。異業種間で輸送を集約化し、輸送回数の削減を狙う。

共同輸送では、サントリーHDが関西から関東に飲料製品を輸送する際に、岐阜県(川辺工場)で大王製紙の紙製品を混載する。また、サントリーHDが関東から関西に輸送する場合は、静岡県(北山倉庫)で大王製紙の製品を混載する。

共同輸送に伴い、トラック運転手の年間の総運転時間が36・4%、二酸化炭素(CO2)排出量は31・1%の削減を見込んでいる。中部運輸局によると、「異業種間の共同輸送は全国でも珍しい。業務効率化を目指し、取り組みを推進したい」と話している。

配車アプリで効率よく利用者を探せるかが、タクシー業界の課題だ (両写真ともイメージ)
配車アプリで効率よく利用者を探せるかが、タクシー業界の課題だ (両写真ともイメージ)

■配車アプリ普及

タクシーの営業には、街を走りながら利用者を探す「流し」と、利用者から連絡を受けて迎えに行く「無線」の2種類がある。近年、利用者が配車アプリを通じて、タクシーを呼ぶケースが増えつつある。

名古屋タクシー協会(名古屋市)によると、名古屋地区で利用されているアプリは4種類。同協会に所属するタクシー事業者の9割以上がアプリでの配車に対応している。

天野清美会長は「コロナ禍での廃業もあり、タクシー運転手の人手不足は深刻だ。人手を増やすのも重要だが、配車アプリで業務効率を改善し、タクシー運転手1人当たりの生産性を向上することも重要だ」と指摘する。

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2025年10月10日(金)
しんきんビジネスマッチング「ビジネスフェア2025」

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第3展示館
主催:ビジネスフェア2025実行委員会

東海地区34信用金庫の取引先が、ポートメッセなごやに自慢の商品、技術、情報、知恵を持ち寄って、展示・PRします。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
Japan Mobility Show Nagoya2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
主催:中部経済新聞社、TOKAI RADIO、中日新聞社、中日スポーツ、東海テレビ放送

JAPAN MOBILITY SHOW 2025に出品された国内外の四輪・二輪車メーカーのコンセプトカーや最新市販車に加えて次世代モビリティに関する展示のほか、各種試乗会などの体験型催事など各種イベントの開催を予定します。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
あいちITSワールド2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
9:00~18:00(最終日は17:00まで)
主催:愛知県ITS推進協議会、中部経済新聞社

「市民参加」や「ITS体験」を特色とした「ITS世界会議愛知・名古屋2004」の理念を継承し、愛知県がITSの先進県としてさらに発展していくことを目指して2005年にスタートしたイベント。

2025年11月22日(土)
第11回 全国高校生コマ大戦
Japan Mobility Show Nagoya場所

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
主催:中部経済新聞社、全日本製造業コマ大戦協会

2025年、11月に開催する「Japan Mobility Show Nagoya 2025」会場において「第11回全国高校生コマ大戦」を開催します。今回の大会では、東海地区の高校生を中心に全国から100チーム(予定)参加を募って実施いたします。