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液化水素やCN燃料、全方位で脱炭素に挑むトヨタ/市販化への道もじわり/水素エンジン、レース参戦1年超/

水素エンジン搭載車両でレースに挑んでいる
水素エンジン搭載車両でレースに挑んでいる

水素エンジン搭載車両で、トヨタがレースへの参戦を始めて、1年以上が経過した。レース毎に課題を抽出し、改善を重ねており、市販化への道もじわり見えてきた。液化水素や、合成燃料「カーボンニュートラル(CN)燃料」など選択肢を増やすことで、全方位で脱炭素に貢献する考えだ。また同時に水素の利活用や、CN燃料の運用では、仲間づくりにも力を入れている。

今年からはCN燃料搭載車両でも参戦
今年からはCN燃料搭載車両でも参戦

■CN燃料

トヨタ自動車は今年、スーパー耐久シリーズ2022に参戦。昨年に引き続き、水素エンジン搭載車両を走らせたほか、今年からは、CN燃料を用いる車両も投入している。

水素エンジン車での参戦は1年以上経過した。これまで航続距離や出力、水素の充填時間などで、性能を向上させてきた。GAZOO Racing Companyの佐藤恒治プレジデントは市販化への道を、富士登山に例え、「これまでは登る山すら分からなかったが、現在は4合目まで登れている」と強調している。今後はレースだけでなく、日常使いで必要なデータの収集などにも着手していく考えだ。

今年から参入した、CN燃料は、回収した二酸化炭素(CO2)と水素、バイオマスを由来とした成分を合成して製造している。燃焼時には、CO2を排出するものの、回収、または吸収分で帳消しにできるという考え方だ。

■現状の内燃機関

CN燃料を使って参戦しているのは、トヨタの「GR86」と、スバルの「BRZ」。またマツダは、ユーグレナ(本社東京都)製の次世代バイオディーゼル燃料を使用して参戦している。富士スピードウェイでの第2戦では、日産自動車が新たにCN燃料での参戦を発表。CN燃料などは、現状の内燃機関を大きく変更する必要がなく、スムーズに脱炭素社会の実現につながる。

ただ、水素エンジン同様、CN燃料も現状では課題が山積している。トヨタとスバルが使用しているCN燃料は、再エネで製造した水素が必要な上、再エネを直接使用できるEV(電気自動車)と比べると、エネルギー利用効率がまだ低い。

また、マツダが使用するバイオ燃料も、植物や藻類の生育、培養にかかるエネルギーなど、現状では製造コストに課題を抱えている。

レースを通じて、水素やCN燃料に関する仲間づくりも進んでいる。昨年5月の初参戦時に8企業・団体だった仲間はレース毎に増え、6月の富士スピードウェイでのレース時には、24企業・団体まで、その輪が広がった。今後も水素を「つくる」、「はこぶ」、「つかう」、それぞれの分野で仲間づくりを進めていく考えだ。

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2025年10月10日(金)
しんきんビジネスマッチング「ビジネスフェア2025」

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第3展示館
主催:ビジネスフェア2025実行委員会

東海地区34信用金庫の取引先が、ポートメッセなごやに自慢の商品、技術、情報、知恵を持ち寄って、展示・PRします。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
Japan Mobility Show Nagoya2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
主催:中部経済新聞社、TOKAI RADIO、中日新聞社、中日スポーツ、東海テレビ放送

JAPAN MOBILITY SHOW 2025に出品された国内外の四輪・二輪車メーカーのコンセプトカーや最新市販車に加えて次世代モビリティに関する展示のほか、各種試乗会などの体験型催事など各種イベントの開催を予定します。

2025年11月22日(土)~24日(月・祝)
あいちITSワールド2025

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
9:00~18:00(最終日は17:00まで)
主催:愛知県ITS推進協議会、中部経済新聞社

「市民参加」や「ITS体験」を特色とした「ITS世界会議愛知・名古屋2004」の理念を継承し、愛知県がITSの先進県としてさらに発展していくことを目指して2005年にスタートしたイベント。

2025年11月22日(土)
第11回 全国高校生コマ大戦
Japan Mobility Show Nagoya場所

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
名古屋市港区金城ふ頭二丁目2番地
主催:中部経済新聞社、全日本製造業コマ大戦協会

2025年、11月に開催する「Japan Mobility Show Nagoya 2025」会場において「第11回全国高校生コマ大戦」を開催します。今回の大会では、東海地区の高校生を中心に全国から100チーム(予定)参加を募って実施いたします。