あいち女性輝きカンパニー特集
モチベーション向上から人材の確保まで女性活躍が生む経営効果
女性の意欲向上
女性活躍推進法を契機に、各企業が実際に得ている効果が明らかになってきた。法令遵守という枠を超え、女性活躍の推進は組織運営や業績向上に直結する経営戦略の一環として定着しつつある。
愛知県が実施した企業アンケート調査によれば、女性活躍に取り組んだことによるメリットは多岐にわたる。最も多かった回答は「女性のモチベーションが向上した」であり、半数近くの企業がこれを実感している。職場環境の整備が、従業員の意識や働きがいを直接高めていることを示すものである。次いで「仕事の効率や業務の改善が進んだ」「仕事と家庭の両立がしやすくなった」「職場環境が改善した」といった効果が3割前後の企業から挙げられた。これは女性活躍が単に対象者本人の問題にとどまらず、組織全体に波及する好影響を持つことを物語っている。特に人材確保の観点は深刻な人手不足に直面する多くの企業にとって大きな意義を持つ。多様な働き方を認め、キャリア形成を支援する企業は、求職者にとって魅力的な選択肢となり、優秀な人材の獲得や定着につながる。
企業成長の好循環
女性管理職が増加するほど業績が向上する、という相関関係も見られる。調査では、過去5年間で管理職に就く女性が増えた企業ほど、直近3年間の売上高や生産性が伸びたとする割合が高かった。因果関係を直接示すものではないが、多様な視点や経験が意思決定に反映されることで、組織の柔軟性や対応力を高めている可能性がある。
女性活躍の推進は人材確保や職場の活性化にとどまらず、企業の持続的成長を促す動きとしても注目されそうだ。
















