あいち女性輝きカンパニー特集
古瀬陽子 愛知県副知事に聞く
総合的に施策を推進
- 7月に副知事に就任し、「あいち女性の活躍促進PT」のリーダーを務めている。愛知県の女性の就業環境をどうみているか。
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「愛知県の女性就業者数は、14年から24年までの10年間で約25万人増加し、187万人に達した。女性の活躍は地道な働きかけが重要であり、総合的に施策を進めている。愛知県では、働く場における女性の定着と活躍の拡大に向け、部局横断的に施策の検討を行い、全庁を挙げてさまざまな『あいち女性の活躍促進プロジェクト』事業を実施している」
「企業における女性活躍を進める上で、愛知県が最も力を入れて取り組んでいるのが『あいち女性輝きカンパニー(輝きカンパニー)』認証制度である。女性の活躍に積極的に取り組む企業を認証する制度であり、申請に必要な項目を参考に、職場環境を整えることができる。女性の活躍は企業経営にもメリットがあることを広く周知していくとともに、輝きカンパニーの認証数を増やしていく。男女がともに生き生きと活躍することができる環境づくりに取り組んでいきたい」
- 「あいち男女共同参画プラン2025」で掲げる、三つの重点目標の状況について。
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「三つの重点目標は、『あらゆる分野における女性活躍の促進』『男女共同参画社会に向けての意識改革』『安心して暮らせる社会づくり』である。これらの目標を達成するため、施策の進捗(しんちょく)管理を行う指標として42項目を設定。男女共同参画社会の実現に向け、取り組んできた」
「42の管理目標のうち、数値目標を設定している35項目について、1月時点では『女性の活躍促進宣言企業数』など5項目が目標を上回る結果だった。また、『県男性職員の育児休業取得率』など3項目については、当初目標を達成し目標値を上方修正して取り組んでいる」
「しかし、『女性の管理職割合』や、『平均勤続年数』など、全国平均を下回っている指標もある。計画期間終了まで残りわずかだが、PTを通じて各事業の進行管理を行うとともに、さらに女性の活躍につながる事業を検討、実施していきたい」
- 「あいち女性輝きカンパニー」の認証企業数は、現在1642社(8月1日時点)。25年度までの目標である2千社に迫っているが、普及活動の現況や認証取得のメリットについて。
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「輝きカンパニーに認証されると、認証ロゴマークを自社の商品や広告、名刺、会社案内などに使用できるほか、認証企業として愛知県のホームページに掲載されるため、企業のイメージアップ・PRにつながる。また、協賛金融機関における認証企業を対象とした融資の金利優遇や、県が行う入札などで、社会的価値を有する企業として評価されることも、認証取得のメリットである」
「企業の採用をサポートする取り組みの一環として、女子大学生に向けて輝きカンパニーのPR活動に取り組んでいる。昨年度から、大学などが主催する就職イベントや講義において、輝きカンパニーで働く女性社員によるロールモデルの紹介をしている。本年度も15大学で開催する。また、愛知県主催イベントに輝きカンパニーのブースを出展するほか、東京など首都圏でもPRするため、主要駅などでデジタルサイネージ(電子看板)を活用した広告を実施するなど、認知度の向上に向け取り組んでいく」
- 今後の取り組みは。
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「輝きカンパニーの認証取得企業を特に中小企業に広げていきたい。22年度から市町村レベルで行政、経済団体、地元企業が連携して女性活躍に関する意見交換会を行い、その成果をまとめたリーフレットなどを活用して、建設業や製造業をはじめとした企業に対して働きかけを行っている。本年度は、蒲郡市や愛西市で開催を予定している」
「本年度からは、女子中高生向けのオフィスツアーの開催において、愛知県が県内高校などへの周知に協力している。製造業や情報通信業、建設業などのいわゆるSTEM分野での女性活躍を推進するためだ。STEM分野を目指す女性を増やし、女性の職域拡大を図るためにも、継続して取り組んでいきたい」

















