あいち女性輝きカンパニー特集
愛知県副知事 佐々木菜々子氏に聞く
男女がともにいきいきと輝くことができる社会の実現へ
- 「あいち女性輝きカンパニー」の認証企業は現在1126社(2022年8月1日時点)。「2025年までに1200社」という目標に近づいてきている。この進ちょくをどうみるか。
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『あいち女性輝きカンパニー』の認証制度は、2015年度の創設以来、本県が、企業における女性活躍を進める上で、根幹に据えて取り組んでいる制度であり、認証数は年々着実に増加している。昨年度は300社を超える企業等を認証し、1年間の認証数は過去最高となった。今年度にも、目標である1200社を達成することができそうな勢いであり、女性活躍の必要性に対する理解が深まり、気運の高まりを感じる
- 女性活躍推進法が改正され、行動計画の策定義務や、情報公開義務の対象が労働者数101人以上に拡大された。今後、100人以下を含めて中小企業の取り組みが進むことが期待されるが、県はどう取り組んでいくか。
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女性の活躍に向けて、具体的に何をすればいいか分からない、といった場合もあるかと思う。そういった中小企業、小規模企業等をきめ細かくサポートするための『女性の活躍促進コーディネーター』派遣制度がある。社会保険労務士やキャリアコンサルタント等の専門家が、個別の相談に応じ、必要なアドバイスや情報提供等を行っている
また、『あいち女性輝きカンパニー』のうち、取引先の中小企業等に対して、女性の活躍に向けた取り組みや県施策の活用の働き掛けを行っていただける企業・団体に『あいち女性の活躍プロモーションリーダー』を委嘱しており、現在、200社を超えるプロモーションリーダーにご協力いただいている
今年度は新たに『中小企業女性活躍推進モデル事業』を実施している。市町村と地元の経済団体・企業等がネットワークを築き、連携して中小企業に女性活躍推進を働きかけていくもので、豊橋市、西尾市、大府市の3市をモデル地域に指定して取り組んでいる
- 令和4年度版の「男女共同参画白書」では男女間の賃金格差、人々の意識等が依然として高度経済成長期、昭和時代のままとなっていることが指摘されている。意識改革に向けた課題や施策、県内企業に呼び掛けたいことは。
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無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)を払拭することが重要であり、地道な働きかけを継続的に行うことが必要だと感じている。本県は、『夫は外で働き、妻は家庭を守るべき』という固定的性別役割分担意識が全国と比べ高い。また、男女間の賃金格差を生む一因となっている女性管理職や女性役員の割合が全国より低いことが課題だ
組織トップの意識改革を図るため、『あいち女性の活躍促進サミット』を、毎年開催している。トップが『女性活躍は経営戦略』と捉え、優秀な人材確保や人材流出防止に繋がることや、イノベーションの創出等において、大変有効であることを御認識いただくことが重要である。また、就職前の早い段階から、様々な仕事への興味・関心を持ち、理系分野を含めた幅広い進路・職業を選択することや、育児と仕事の両立について考える機会とするため、中学・高校・大学等に出向き、キャリアプランに関する出前講座を実施している。昨年度は2000名の生徒・学生が受講した
今年度新たに、県内企業でリーダーとして活躍する女性を増やすための取り組みを行う。管理職等の女性を対象に、現在活躍している女性役員の経験や仕事内容等を聞いていただく講演会を開催し、自身のキャリアを考える上での参考にしていただく。現在、参加者を募集中のため、ぜひお申し込みいただきたい
この事業では、大村秀章知事を始めとする県内各界リーダー5名から、将来のリーダーを目指す女性達に向けた応援メッセージ動画を収録し、講演会での放映や県ウェブサイトへの掲載により発信していく
企業トップ、人事担当者、女性を始め、多くの方々に、継続的に働きかけていくことで、男女がともにいきいきと輝くことができる『男女共同参画社会』、『女性が活躍できる社会』の実現につなげていきたい