取材ノート 働きやすい職場を伝える
■業種を問わず、採用難による人手不足が叫ばれて久しい。取材を通じ経営者らの嘆きの声が最近特に強まっていると感じる。ある小売店の社長は「新店のオープンまで残り2週間を切ったが、店で働くスタッフの目標人数には到底届いていない」と頭を抱えていた。
別の経営者は「会社存続の鍵を握るのは人だ」と言い切る。ものづくり系の同社は、製造現場における自動化は進んでいるものの、研究開発や設計などの人手の必要な現場は足りていないという。そのため建設中の工場建屋には、休憩スペースを充実させるなど従業員の働きやすい職場環境づくりに余念がない。
一方で、人手不足とは縁遠い企業も。中小のある運送会社ではここ数年、毎年1人以上の新卒採用が実現している。運送含め物流業界は、残業規制強化などによる一層の人手不足が懸念される「2024年問題」が差し迫るなか、運送会社社長は「問題ない」ときっぱり。
10年以上前からコツコツと磨いてきた働きやすい職場環境がこうして実を結んでいるのだ。紙面を通じ少しでも参考にしてもらえるよう、成果を挙げている企業を積極的に発信していきたい。
■桝田 宏行(ますだ・ひろゆき)四日市支局に勤務。三重県北勢地域を担当。パリ五輪の出場権を獲得したバレーボール男子。対スロベニア戦をリアルタイムでテレビ観戦したが思わず目頭が熱くなった。
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