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十六FG、事業承継で新会社/25年1月「あいち銀行」誕生へ/金融機関、新たな協業加速

コロナ禍の最悪期を脱し、企業業績の多くは回復傾向にある。金融・証券業界では、新たな協業を通じ、地元企業の支援に力を入れる動きがあるほか、人材を資本とみなす「人的資本経営」に注力する動きが目立つ。多様化する顧客のニーズに対応しようと、業界各社では積極的な取り組みを進めている。

名古屋市の十六銀行名古屋ビルで基本合意書を締結した十六FGの池田社長(左)と日本M&AセンターHDの三宅社長
名古屋市の十六銀行名古屋ビルで基本合意書を締結した十六FGの池田社長(左)と日本M&AセンターHDの三宅社長

■異業種で合弁事業

十六フィナンシャルグループ(FG、本社岐阜市)は今月6日、事業承継支援で新会社を立ち上げる計画を発表した。全国でM&A(企業の合併・買収)を手掛ける日本M&Aセンターホールディングス(HD、本社東京都)と今夏、岐阜市内に合弁会社を設立し事業を開始する。地方銀行が事業承継に関し、異業種協働型で合弁事業を展開するのは全国で初めてだ。

両社は、名古屋市の十六銀行名古屋ビルで基本合意書を締結した。今夏の合弁会社設立に向け、会社名や出資比率の検討などを進める。140年以上の歴史を持つ十六FGの岐阜、愛知両県の顧客ネットワークと、M&A仲介で7千件超の成約実績を持つ同HDのノウハウを掛け合わせることで、両県の企業の円滑な事業承継を実現する。

全国で企業経営者の高齢化が進む中、2022年における県別の後継者不在率は岐阜県62・9%、愛知県58・4%と、いずれも全国平均(57・2%)を上回っている。40年までに岐阜県で3万3千社、愛知県で5万7千社の企業が減少するという試算もあり、事業承継対策が地域経済の喫緊の課題となっている。

十六FGは2000年に日本M&AセンターHDと業務提携し、人的交流のほか、セミナー開催、実務面で連携して事業承継支援を行ってきた。さらに取り組みを加速させるため、合弁会社の設立を決めた。

十六FGの池田直樹社長は、「日本M&AセンターHDとは長年信頼を深めてきた実績がある。これまでも十六銀行は付随業務として事業承継の課題に取り組んできたが、合弁会社設立により、本腰を入れて顧客の事業承継ニーズに対応する」と意気込んだ。

証券会社が集まる名古屋市中区の一角(左は名古屋証券取引所が入るビル)
証券会社が集まる名古屋市中区の一角(左は名古屋証券取引所が入るビル)

■「あいち銀行」

あいちフィナンシャルグループ(FG、本社名古屋市中区)は3月31日、傘下で完全子会社の愛知銀行と中京銀行について、関係当局の許認可の取得等を前提として、25年1月1日付で合併する予定だと発表した。合併とシステム事務統合に向け、準備を進める。合併後の新銀行名は「あいち銀行」とする予定だ。

愛知銀と中京銀が経営統合して22年10月に発足した共同持ち株会社のあいちFGは、2年後の24年度をめどに銀行合併とシステム統合を計画していると表明していた。新銀行は愛知銀を存続会社、中京銀を消滅会社とする吸収合併方式で発足させる。25年1月1日付で商号をあいち銀行に変更する予定。

合併新銀行における基幹系システムは、NTTデータが提供する「地銀共同センター」を25年1月から採用する。原則として愛知銀の基幹系システムと事務処理基準に統一する予定。両行で導入しているサブシステムについても、順次統合を進める。

愛知銀と中京銀は昨年5月の最終合意時に持ち株会社名を発表してから11カ月、経営統合から半年を経過し、あいちFGとしての認知度も上がっている。あいちFGは「新銀行の商号も持ち株会社の商号と同じひらがなの『あいち』とするのが、最も自然であり、受け入れられやすいと考えた」としている。

あいちFG傘下の愛知銀行と中京銀行は、合同入行式を初めて開いた
あいちFG傘下の愛知銀行と中京銀行は、合同入行式を初めて開いた

4月3日には、両行で初となる合同入行式を名古屋市内のホテルで開いた。愛知銀は92人、中京銀は82人が入行した。あいちFG社長で愛知銀頭取の伊藤行記氏は「あいちFGでは『コンサルティング・ソリューション型の新ビジネスモデル』の構築を目指している。行員はコンサルティング機能の発揮に向けていろいろな知識が必要とされる。大いに自己啓発に励み、自分自身をレベルアップしていただきたい」と話した。あいちFG副社長で中京銀頭取の小林秀夫氏は「愛知銀行は創業113年、中京銀行は創業80年の長年の歴史を重ね、信頼の上に営業基盤を築いてきた。着実に築き上げた信頼と誠実さを大事にしていただきたい。歴史を紡ぎ、新しい未来を一緒に創造するメンバーとして、大いに期待している」と語った。

■人的資本への投資

東海東京証券は人的資本への投資に力を入れている。2019年4月からビジネスモデルの変化とともに「ジョブ型人事制度」を導入した。仕事の価値と報酬を連動させ、専門性と人間性の向上を目指している。制度導入の実感について、担当者は「年功序列や属性に左右されない人材配置が可能となり、意欲と能力のある人材の活躍が可能となった」と語る。テレワークやフレックスタイム制度、副業制度なども用意し、働きやすい環境を整えている。

また、新たな学びやプライベートでの取り組み、リスキリング(学び直し)への支援も充実させている。社員の「文化」「スポーツ」「学業」への自主的な挑戦に対し、活動資金の補助などを実施する制度を用意。人間的な素養や教養などの習得を目指している。

これまでプログラミングの受講料支援やサックス、尺八などのレッスンと演奏活動費用の支援、サッカーの社会人リーグ出場に向けた活動費支援などを行った。

制度を利用した社員からは「今の業務で生かせている」「キャリアを考える上で、選択肢を増やすことにつながった」「プライベート支援を会社が提供してくれるのはうれしい」などの声が聞かれた。

■新NISA

東海東京証券では、資産形成に踏み出す投資への第一歩を後押しするための取り組みを行っている。毎月の「資産形成セミナー」と「積立投資セミナー」を通じ、少額投資非課税制度(NISA)の活用法について、投資初心者・未挑戦者をはじめとする資産形成に興味を持つ人向けに紹介している。

高配当、株主優待銘柄の紹介などをテーマに、資産形成への後押しとなる動画配信を毎週実施している。時間や場所の制限が無く、気軽に情報を得られることや、初心者にも分かりやすい丁寧な説明が好評だ。

セミナー参加者からは「NISAや積立投資のメリット・デメリットを分かりやすく解説してもらえた」「新NISAが始まることに合わせて、挑戦したいと思った」との声が多く寄せられている。

4月1日付で東海東京証券の社長に就任した北川尚子氏
4月1日付で東海東京証券の社長に就任した北川尚子氏

初の女性社長就任

東海東京証券は今月1日付で、北川尚子副社長が社長に就任した。社長交代は2年ぶり。女性が社長に就くのは同社初だ。新しい金融ビジネスの創出に向けた経営体制の若返りを目的としている

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2024年5月18日(土)~19日(日)
エコカースタイル in オアシス21

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EVなど最新技術を搭載したエコカー展示を行い、未来のモビリティライフを垣間見れる展示会

2024年6月8日(土)~9日(日)
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2日間にわたり、登山用品メーカーや自治体が出展!過去の開催では、トークショーや最新登山用品セミナー等の開催実績があり。

2024年6月27日(木)~28日(金)
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建築関連産業の課題解決と技術発展の一助とするため、製品・技術・サービスを一堂に集め、ビジネスと情報交流の促進を目的に1971年の秋より開催されている中部地区唯一の建築関連専門展示会です。

2024年10月11日(金)
しんきんビジネスマッチング「ビジネスフェア2024」

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第3展示館
主催:ビジネスフェア2023実行委員会

東海地区34信用金庫の取引先が、ポートメッセなごやに自慢の商品、技術、情報、知恵を持ち寄って、展示・PRします。