全国唯一のブロック経済紙 愛知・岐阜・三重・静岡の経済情報

中部経済新聞 購読者向け中経企業年鑑データサービス申し込み・ご利用はこちら

特別企画「エネルギーを考える」公開中

新聞購読のお申し込みはこちら

窯業/新領域進出や新事業創出相次ぐ森村グループ/「複層歯車研削砥石」拡販

自動車の電動化や脱炭素、DX(デジタルトランスフォーメーション)化など、森村グループ4社を取り巻く事業環境も加速度的に変化している。各社は、培ったセラミックス技術を生かし、既存商品をブラッシュアップするほか、新事業、新領域への挑戦も進め、持続可能な成長を目指している。

複層歯車研削砥石
複層歯車研削砥石

ノリタケカンパニーリミテド(本社名古屋市)は、歯車を研削、研磨する機能を一体化した、「複層歯車研削砥石」の拡販を進めている。従来、研削と研磨で2工程かかっていた加工を短縮できるほか、部品加工面の凹凸を表す、「表面粗さ(あらさ)」も向上できるという。

一般的に、歯車の研削・研磨では、まず研削用砥石で形状づくりを進め、その後別の砥石で研磨をする。一体化することにより、加工対象物の脱着などが不要になり、生産性が高まるほか、加工位置のズレなどによる、精度の低下を防げる。

近年加速する自動車の電動化に伴い、駆動を支える歯車の要求精度も高まっている。ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの次世代自動車では、これまでエンジン音に隠れていたノイズが顕在化するため、より静粛性が求められる。また、航続距離が課題となるEVでは、歯車がかみ合った際のエネルギー伝達ロスを小さくする必要があるためだ。

ザ・クラッソ
ザ・クラッソ

ノリタケとしては、自動車用歯車向けに実証を重ね、24年度から実用化を目指している。今後、ロボットや建設機械向けにも拡販を進めたい考えだ。 国際的なデザイン賞受賞  衛生陶器などを製造販売するTOTO(本社福岡県)は今年、システムキッチン「THE CRASSO(ザ・クラッソ)」で、国際的なデザイン賞「レッドドット・デザイン賞2023」を受賞した。また同賞の中で、全応募アイテムの2%未満にしか与えられない最優秀賞「ベストオブザベスト」にも選出。TOTO商品のデザイン性、機能性の両立は、グローバルでも高い評価を獲得している。

レッドドット・デザイン賞は、ドイツの「ノルトライン・ヴェストファーレンデザインセンター」が主催する、国際的に権威のあるデザイン賞。デザインの専門家による革新性、機能性、品質などに沿った厳正な審査で認められた商品に授与される。

ザ・クラッソは、「美しい、使いやすい、きれい」がコンセプト。すりガラスのようなTOTO独自の「クリスタルカウンター」や、排水口に滑り台のような傾斜を付けた「スクエアすべり台シンク」、ほうきのように水が広がる「水ほうき水栓LF」、除菌効果のある水がミスト状で噴霧される「タッチレス『きれい除菌水』生成器」で構成している。22年8月から、日本のみで販売している商品。

サーラエナジー向けに受注したNAS電池
サーラエナジー向けに受注したNAS電池

レッドドット・デザイン賞の受賞は、今回で11年連続となった。うちベストオブベストの受賞は、21年以来、3度目となる。TOTOは引き続き、デザインとテクノロジーの融合を追求し、「持続可能な社会」、「きれいで快適・健康な暮らし」の実現に貢献する。 NAS電池「コト売り」

日本ガイシ(本社名古屋市)は、大容量蓄電池「NAS電池」で、「コト売り」を進めている。需要に応じて納入する「モノ売り」だけでなく、自社で利用用途を開拓し、新たな価値を創造している。

脱炭素への機運の高まりとともに、世界中で再生可能エネルギーの導入が加速している。再エネは、二酸化炭素(CO2)の排出が抑えられる一方で、発電量が天候などに左右されやすいといったデメリットを持つ。需給の安定化に向けては、蓄電池の運用が欠かせない。

日本ガイシは昨年8月に東邦ガスの系統用蓄電池としてNAS電池を受注したほか、今年7月にはサーラコーポレーション子会社のサーラエナジー(本社豊橋市)からも蓄電所向けに受注した。系統用蓄電池として電力の余剰時には蓄電し不足時には放電して、電力需給の安定化に利用される。

「モノ売り」が進む一方で、自らNAS電池を活用したビジネス創出も急ぐ。9月13日、脱炭素に向けたシステム開発を手掛けるSustech(サステック)と、蓄電所の運営に乗り出すと発表した。NAS電池をサステックの電力運用システムで制御することで、収益の最大化を目指す。日本ガイシはそのほか、リコー(本社東京都)とVPP(仮想発電所)システムの開発を始めるなど、幅広く用途開発を進めている。

ベアリング用セラミック製ボール
ベアリング用セラミック製ボール

「ベアリングボール」素球拡販  自動車用点火プラグや排ガスセンサなどを製造する日本特殊陶業(本社名古屋市)は、セラミック製の軸受け部品「ベアリングボール」の素球の拡販を進めている。一般的な鋼球に比べ、軽量で高剛性なほか、絶縁性があることが特徴。足元では、増加するEVの駆動モーター用などで需要が増加している。今年、小牧事業所内の生産能力を増強するなど、生産体制も整えている。

軸受けの一つ、ボールベアリングは、回転軸と軸受けの間にボールを挟むことで、回転軸が受ける摩擦を小さくしている。電動車の駆動用モーターでは、軸受け内部に電気が流れることでスパークが発生し、接触部の表面が損傷する「電食」が懸念される。ボールを絶縁性の高いボールに変えることで、電食を防ぐことができる。日本特殊陶業が生産しているのは、研磨などを行う前の素球。研磨メーカーに納め、磨かれた後、軸受けに搭載される。

自動車業界では、欧州や中国を中心にEVの普及が加速しており、電食を防げるセラミックボールに注目が集まり始めている。日本特殊陶業としては、モーターで駆動する電動車のほか、工作機械や半導体製造装置向けなど、各分野での利用拡大を狙う。また、今後の受注拡大に向けて、材料や製造方法で特徴を出すための研究も進めている。

ご意見・ニュース提供
新聞広告出稿
土曜日紙面サンプル閲覧
アラジンオフィス
防犯カメラ買うなら塚本無線

会社概要メニュー

出版物のご紹介 一覧へ

中経企業年鑑登録

イベント情報一覧へ

2024年5月18日(土)~19日(日)
エコカースタイル in オアシス21

オアシス21 銀河の広場
主催:中部経済新聞社

EVなど最新技術を搭載したエコカー展示を行い、未来のモビリティライフを垣間見れる展示会

2024年6月8日(土)~9日(日)
名古屋で唯一の山岳関連イベント
第10回 夏山フェスタ

ウインクあいち(愛知県産業労働センター)7F・8F
主催:夏山フェスタ実行委員会

2日間にわたり、登山用品メーカーや自治体が出展!過去の開催では、トークショーや最新登山用品セミナー等の開催実績があり。

2024年6月27日(木)~28日(金)
第53回 建築総合展NAGOYA

ウインクあいち 7F・8F展示場
主催:公益社団法人愛知建築士会・中部経済新聞社

建築関連産業の課題解決と技術発展の一助とするため、製品・技術・サービスを一堂に集め、ビジネスと情報交流の促進を目的に1971年の秋より開催されている中部地区唯一の建築関連専門展示会です。

2024年10月11日(金)
しんきんビジネスマッチング「ビジネスフェア2024」

ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)第3展示館
主催:ビジネスフェア2023実行委員会

東海地区34信用金庫の取引先が、ポートメッセなごやに自慢の商品、技術、情報、知恵を持ち寄って、展示・PRします。