創意に生きる~マイウェイ~中部経営者たちの物語

全国唯一のブロック経済紙 愛知・岐阜・三重・静岡の経済情報

Scroll
第1話
「『一期一会』を大切に」
TACT髙井法博会計事務所 代表社員・会長 髙井 法博 氏

1976(昭和51)年に税理士試験に合格して以来、来年9月には創業50周年の節目を迎える。半世紀に及ぶ歳月に思いを馳せると、やはり、「一期一会」という言葉が脳裏に浮かぶ。人と人との出会いは運命的である。これまでの人生を振り返ると、本当に多くの人と出会い助けられ、ご教導を受け引き上げられ、生かされてきた幸せを深く感じる。一人一人と真っすぐに向き合ってきたことで、いまの自分がある。そう思えてならない。

私は、岐阜市にある50代続く浄土宗の古刹・西谷山浄音寺で生まれた。かつては村有数の資産家だったようだが、戦後の農地解放によって寺は土地を失い、状況は一変。ものごころつく頃には、生活保護を受けるほどの極貧の中で育った。

ただ、大恩人である後藤孵卵場創業者の後藤静一氏との出会いから、人生が大きく開かれていった。同社の奨学金制度第1号として選んでいただき、高校卒業後は後藤氏の下で働き、さまざまなポストに抜てきし、育てていただいた。これまで一日たりとも恩を忘れたことはない。いまでも本社の会長室と自宅の仏壇には後藤氏の写真を飾っている。

独学で税理士試験に合格し、お許しをいただき12年間の会社員生活にピリオドを打ち、31歳の時に後藤孵卵場を退社後、自宅で髙井法博会計事務所を開業した。創業後も必死で勉強し、現在、TACTグループとして12社を展開するまでの規模になっている。顧問先数はコンサルも含めると730社を超え、ありがたいことに岐阜県下ではナンバーワンに成長した。

税理士の資格だけを頼りに税務署にも会計事務所にも勤務したことのない私が、創業時、自分は何のために事業をするのか自問自答し、5ページほどの経営計画書に創業の理念(三つの柱)を明示した。その後、法人化した際には定款第1条として次のように明記した。

「当法人は、お客様の経営体質強化と健全経営の実現のために、お客様に対し『ビジネスサポート業』・『情報発信基地』・『社外重役』としての役割を果たし、お客様の事業の発展に寄与し、当法人の発展と全社員の物心両面の幸せを勝ち取り、もって国家・社会の発展に貢献することをTACTグループの共通の使命とする。」

「自利利他」。利他に徹することがすなわち自利である。私が大事にしている言葉である。これまで歩んできた半生を赤裸々に再現することで、読者に少しでもこれからの人生のヒントになれば幸いである。

〈プロフィル〉
たかい・のりひろ 岐阜県立岐阜商業高校卒、1976年税理士試験合格、78年12年間働いた後藤孵卵場を退社し、自宅に事務所を開設。岐阜県山県村(現岐阜市)出身。78歳。

著者企業紹介

税理士法人TACT髙井法博会計事務所
本社:岐阜県岐阜市
税理士業務の枠を超え、中小企業の経営支援に力を注ぐ

髙井法博氏が高校卒業後、後藤孵卵場に勤務しながら、独学で税理士試験に合格。1978年に岐阜市山県三輪の自宅で開業した。税理士業務の枠を超え、中小企業の経営支援全般に携わる熱血漢として知られ、業容を拡大した。現在、グループ12社を展開し、岐阜県下最大の会計事務所の地位を築く。関与先件数は726社(2024年5月時点)。

税理士法人TACT髙井法博会計事務所

「中部経済新聞」とは?

全国唯一の
地域経済専門紙

※一般社団法人日本新聞協会加盟紙の中で唯一の「地域経済紙」に分類されています。

トヨタ自動車をはじめとした中部自動車産業から、愛知・岐阜・三重の経済情報をきめ細やかに発信、独自に深掘り、解説していきます。

他では読めない

トヨタをはじめとした
中部自動車産業や地域経済ニュース

ポイント①
経済動向を先読みできる独自統計
POINT

ポイント②
注目のキーマンへのインタビューや
地域の気になる話題を深堀取材
POINT

ポイント③
中部の識者によるコラム・解説や
経営・投資に役立つ連載企画が充実
POINT

だから
↓
「使える新聞」との声多数!

トヨタや同業他社に関する記事が毎日載っているので役に立つ
地元の情報が読めるので知っておくだけで話しのネタになる
紙版 購読料金 月額3,950円
電子版 購読料金 月額4,510円

「中経マイウェイ新書」など
企業物語の書籍を多数刊行!