創意に生きる~マイウェイ~中部経営者たちの物語

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第1話
「人生の「やりがい」求めて 医学部への再入学」
名古屋第二赤十字病院名誉院長 愛知医療学院短期大学学長 石川 清 氏

私は高校時代に始めたラグビーから多くを学んだ。ラグビーはその後の生き方や考え方に大きな影響を与えてくれた。「人生のやりがい」を真剣に考えるようになったのもそのひとつだ。

プレーのおもしろさだけでなく、ラグビー精神、自己犠牲の精神などラグビーの魅力に取りつかれた。ラグビーに「やりがい」を感じていたので、厳しい練習や夏の合宿にも耐えることができた。「人間はやりがいを持ってやっていれば、たとえ大変なことや嫌なことがあっても耐えられる」こともラグビーから学んだ。

大学は最初工学部へ入り、大学院在学中に就職活動をしていたが、大企業の歯車のひとつになることがやりがいであるとは感じられなかった。その頃、重症心身障児医療に人生を捧げていた長兄の姿を見て感動し、医学部へ入り直す決意をした。

医師になってからは、集中医療がやりたくて麻酔科を専攻し、生きるか死ぬかという患者さんを救命し、患者さんや家族からの感謝の言葉に大きなやりがいを感じた。

日赤では災害医療にも関わり、阪神淡路大震災での救援活動で被災者から涙を流して感謝された経験は大きなやりがいとなった。

その後、東日本大震災や紛争地のスーダン、地震や津波に襲われたスマトラ島やイランでの救護活動に関わったのも阪神淡路大震災の経験があったからだ。

院長になってからは「職員のやりがい」を見いだすことをやりがいとして、病院経営に専念した。

2018(平成30)年3月、定年退職を迎えるに当たって、第二の人生としてまず考えたのは、やはりやりがいのある仕事だった。

そんな時、お話をいただいたのが学校法人佑愛学園の丹羽治一理事長だった。

同学園はリハビリを学ぶ短期大学でクリニック・デイケアセンターとこども園を併設していた。

高齢化が進む中、リハビリの人財育成は不可欠であり、加えて、学園の三つの組織が三位一体となって、学生、子ども、お年寄りの3世代が交流する世界を創り、”地域のお年寄りを元気にする”というビジョンを達成することは、やりがいのある仕事と思い、学長を引き受けることにした。

〈プロフィル〉
石川 清(いしかわ きよし)名古屋大学工学部航空学科・同大学医学部卒業。1978(昭和53)年、名古屋市立大学病院麻酔科に入局。トロント大学留学を経て助教授。94(平成6)年、名古屋第二赤十字病院麻酔科・集中治療部長。阪神淡路大震災救援、スーダン紛争被災者救援などを経験。2007(平成19)年、院長就任。定年退職後、愛知医療学院短期大学学長。73歳。名古屋市出身。

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