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社会や暮らしを便利に楽しく エンゲージソフト株式会社 片桐一久
MRの可能性に着目
新しくて楽しいことをしたい。大手自動車メーカーの受託開発から始め、MR(拡張現実)を実現するデバイスと出会った。エンゲージソフト片桐社長は目を輝かせてその可能性を語る。
同社は2015年、大手自動車メーカーの受託開発企業で25年ほど勤務した片桐社長が独立創業。
技術者としてやりたいこと、チャレンジしたいことが増えたことが創業を決めた理由だという。
コア事業である受託開発とは別に、今力を入れているのはMicrosoft社製の「HoloLens 」を使ったサービスの開発。HoloLens はゴーグルのようにかぶって使うMR(拡張現実)型機器。日本ではまだ普及途上にある機器だが、片桐社長は早くからその可能性に着目、様々なプログラムを開発してその可能性を検証。出展した展示会での反応も良かったことから本格的に事業化に乗り出した。
作業習熟を向上
活用のひとつとして検討しているのが、工場内での研修だ。例えば、組み立て手順の習熟。作業現場は外国人も多く、従来の文書マニュアルだけでは理解も進まない。MRに実際の作業の流れを映しだし、画面を見ながら手順を覚えることができる。映像なため、言語の障壁も低くなる。ゴーグルなためハンドフリーで手先が自由に使えるというのも習熟度を早める。
設計の現場でも活用は可能だ。図面から完成イメージを描き、それをMRに映しだす。顧客も装着して共有することで、完成形に近づけるために費やす時間、コストも削減できるとみる。
ことし6月、なごのキャンパスにMR専用の開発拠点を設けた。「ほかの入居者との交流も盛んで、会話を通じていろんなヒントが得られる。なによりも刺激的で個性的な人が多いですよ」と話し、社会や暮らしを便利に楽しくするために挑戦を続けていくという。
Company Data
エンゲージソフト株式会社 片桐一久 名古屋市西区牛島町6-1名古屋ルーセントタワー
052-569-4715