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企業立地特集

SDGs特集
持続可能な世界を実現するための国際目標

図表1

SDGs(エス・ディー・ジーズ)は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な世界を実現するための国際目標」である。
日本政府は、2016年5月に持続可能な開発目標推進本部(SDGs推進本部)を設置し、国内外におけるSDGsの達成に向けた取り組みを本格化。2017年に企業市民協議会が日本経済団体連合会の会員企業等に実施した「SDGs対応状況調査」では、「すでに対応している」との回答は29%、「近いうちに対応する予定である」との回答は10%という結果に対し、2018年に関東経済産業局が実施した「中小企業のSDGs認知度・実態調査」では、「SDGsについて全く知らない(今回の調査で初めて認識)と回答した企業が84.2%を占めた。
2019年12月に発表した「SDGsアクションプラン2020」では、「日本のSDGsモデル(図表1)」を示した企業や自治体による具体的な取り組みをまとめた。

経済・ビジネスにおけるSDGs

「SDGsアクションプラン2020」には、ESG投資を後押しすることが盛り込まれている。ESG投資とは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)要素も考慮した投資。ESGの視点を組み入れることなどを原則として掲げる国連責任投資原則(PRI)に、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年に署名したことを受け、ESG投資の動きが広がり、企業によるSDGsの取り組み=ESG経営を後押しするかたちとなっている。

現在、投資家たちが注目しているのは、企業の過去ではなく、未来における持続的・長期的な企業価値。企業規模に関わらず、ESG経営を取り入れることは、現在企業に求められている社会的責任を遂行していること、長期的視点で社会ニーズを重視した経営・事業展開を行っていることのアピールとなる。それにより資金調達の面で有利に働く可能性があり、SIB(Social Impact Bond = 行政の成果連携型支払契約と民間資金の活用を組み合わせた資金援助)も受けやすくなるだろう。

また、SDGsの取り組みは、経済合理性がないと見過ごされてきた市場を、他企業と連携して切り開くことで、企業間協力によるイノベーションの促進を図る契機となるだろう。

地方創生におけるSDGs

図表2
図表3

日本政府は、地方自治体におけるSDGsの普及・推進を目的に、優れた取り組みを進める都市を「SDGs未来都市」として選定。経済・社会・環境の三側面で特に先導的な取り組みは「自治体SDGsモデル事業」とし、1件あたり上限3千万円の補助金を交付している。

愛知・岐阜・三重の東海三県においても、2018年度の実施から9自治体が「SDGs未来都市」に選定されており、本年度は三重県いなべ市が「自治体SDGsモデル事業」に選定されている。(図表2)

また、SDGsおよび「環境未来都市」構想を促進し、より一層の地方創生につなげることを目的に、地方自治体・地域経済に新たな付加価値を生み出す企業・専門性をもったNGO・NPO・大学・研究機関など、広範なステークホルダー(利害関係者)間とのパートナーシップを深める官民連携の場として「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」を設置。(図表3)2020年2月時点でのプラットフォーム会員数は1216団体(地方公共団体450・関係省庁13・民間企業等753)、活動内容は、マッチング支援・分科会開催・普及促進活動・地域レベルの官民連携促進。マッチング支援を活用することで、企業として地域の地方創生に参加することが可能となり、高い専門性を持つ機関と連携することで、新たな価値創造と持続的発展が期待できる。

働き方改革・人づくりにおけるSDGs

「SDGsアクションプラン2020」には、あらゆる分野における女性の活躍推進が盛り込まれている。厚生労働省は、「女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)」に基づく特定認定マーク「プラチナえるぼし」(図表4)の認定を2020年6月から開始。「プラチナえるぼし」認定は、現行の「えるぼし」認定よりも高い水準で女性の活躍を推進している企業であることを示す。

えるぼし認定、プラチナえるぼし認定のメリットは、主に3つ。

(1)認定の表示/商品・広告・名刺・求人票にマークを表示することで、企業イメージの向上や優秀な人材の確保が期待できる。
(2)公共調達における優遇措置/公共調達で加点評価を受けることができ、有利になる場合がある。
(3)日本政策金融公庫による融資制度/日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援金(企業活力強化貸付)」を、通常よりも低金利で利用することができる。

前記に加え、プラチナえるぼし認定を受けた事業主は、一般事業主行動計画の策定・届出が免除される。

2025年に大阪・関西万博が開催されることから見ても、日本企業のSDGsの取り組みは、世界中から注目されるだろう。

しかし現状は、SDGsの取り組み内容を具体化できない企業も少なくない。例えば、「エコカーを社用車として導入することで、CO2削減を図る」「デジタル化を進め、ペーパーレスの取り組みと業務の効率化を図る」など、ごく限られたコストやほんの少しの努力によってSDGsの目標達成に資することのできる企業活動は多く存在する。

"当たり前"であったものに目を向け、改善すべき点を抽出することから始め、中長期にわたって取り組む必要があるだろう。

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