名古屋市内ホテル 滞在楽しむ目的地化推進 ファン獲得へあの手この手
アニメの世界
名鉄グランドホテル(名古屋市中村区)は、アニメ「カードキャプターさくら」とのコラボルームを展開している。キャラクターのアクリルスタンドや、桜色のベッドカバー、窓に施した桜などの装飾で、世界観を表現。また、キャラクターのホテル限定ボイスが部屋で聞けるほか、AR(拡張現実)アプリを使ってキャラクターとの撮影ができる。6月30日まで。
1日2室限定で、素泊まり価格は1室2人利用時、1人1万8千円から。クッションなど6種類の持ち帰り品も付く。なお、系列の中部国際空港セントレアホテル(常滑市)でも同様のプランを、1日3室限定で販売している。
ストリングスホテル名古屋(名古屋市中村区)は、アニメやアイドルなどでお気に入りの人物「推し」が身に付ける色を基調にした客室「イッツ・マイ・カラー!」を提供している。第1弾の赤色、第2弾のピンクの部屋を4月14日まで各1室ずつ用意。その翌週をめどに第3弾の緑を展開する。最大4人までで、価格は1人7千円から。
どら焼き気分
名古屋JRゲートタワーホテル(同)は、初のコンセプトルーム「両口屋是清 千なりルーム」を1日1室限定で販売している。両口屋が4月にリニューアルしたどら焼き「千なり」のクッションやパッケージ風ブランケットを設置し、ベッドに寝ると自分がどら焼きになったような気分を味わえる。6月30日まで。
価格は同ホテルが2017年4月に開業したことにちなみ、1室2万174円。担当者は「開業時から両口屋の千なりにホテルロゴを刻印し、配布してきた。開業5周年と千なりのリニューアルを記念する。地元客を中心に33組の予約が入り、予想より順調だ」と相好を崩す。
宿泊者サービス
ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋(名古屋市中区)は、25~27階の宿泊者限定で、1階のラウンジを夜に開放している。ラウンジはコロナ禍で夜営業を休止していたが、まん延防止解除もあり、宿泊客へのサービスを拡充してファン獲得につなげる。全国から取り寄せた酒類など約35種類や、軽食、駄菓子を提供する。
宿泊者専用ラウンジの名称は「ウィングラウンジ」。流通量の少ない飲み物や、かわいらしいラベルのものをそろえたことが特徴。季節限定品も用意している。高層階の宿泊者は無料で飲食でき、食事に行く前の空き時間などに利用してほしい考え。利用可能時間は午後6時から午後9時までで、60分制。
担当者は「充実したサービスで、また泊まりたいと思ってほしい。コロナ禍で稼働率が上下するなか、特別感を出して選んでもらえるホテルを目指す」と話す。